虎之助の徒然記

虎之助の徒然記

虎之助の徒然日記

VOYO V3、中華製4Kミニパソコンが凄い! (X7-Z8700, 4GB, 128GB-SSD, 4K出力可能)

 自宅のデスクトップ環境を4Kに移行すべく、4K出力できるパソコンを物色していたところ、約200ドルで4K出力可能な魅力的なスペックのミニパソコンを発見・購入しました。それが、4K出力対応のミニパソコンVOYO V3です。

 4K出力に加えて、Cherry Trail世代のAtom最上位のX7-Z8700搭載、4GBメモリ、128GBのSSDと約200ドルのパソコンとしては最強スペックです。

(ベンダの公式ページは、VOYO mini Pc-Box_V3)

 購入したのは2016年の春ですが、今回はこのパソコンを紹介します。

目次

1. スペック

 VOYO V3のスペックは、以下の通りです。

  • OS: Windows 10 Home(64bit, 英語版)
  • CPU: Intel Atom X7-Z8700 (Cherry Trail世代のAtom最上位)
  • RAM: 4GB
  • ストレージ: 128GB (M.2 SSD)
  • ネットワーク: 802.11, Bluetooth4.0(技適なし)
  • 入出力: USB2.0, USB3.0×2, 3.5mmオーディオジャック, microSDスロット
  • ビデオ出力: mini-HDMI。4K出力可(3840x2160@30fps)
  • 電源入力: USB Type-C (ACアダプタ付)
  • サイズ: 130×130×9.9mm / 重量 200g

 これまでのミニパソコン仕様から、CPUもメモリもストレージも一歩も二歩も飛びぬけた仕様です。特に私が惹かれたのは、4K出力、メモリ4GB、SSD128GBです。これだけ、スペックが揃って、200ドルは格安です。でも、少し心配なのはやはり中華製というところ。いつも、はらはら、どきどきしながら購入しています(笑)。

 スティックPCの走りであるMeeGoPad T01も使ってみましたが、ブラウザとしてちょっと利用する分には十分だけど、少しヘビーに使おうと思うと、2GBメモリや32GBのeMMCでは性能不足でした。Bay Trail世代のミニPC・スティックPCの典型的スペックは、Atom Z3735F、2GBメモリ、32GB eMMC、Windows10 (または、Windows8.1 with Bing)といったところ。Cherry Trail世代になっても、CPUがZ3735Fから、Cherry Trail世代(x5-Z8300, x5-Z8500など)に移行していますが、その他はおおよそ同じという製品が大部分なのですよね。

f:id:toranosuke_blog:20170120002630j:plain:w320f:id:toranosuke_blog:20170120002635j:plain:w320

2. 入手

2.1 入手先

 中国のショップからの購入ですが、当時はAliExpressよりもGearBestの方が50ドル以上安かったので、今回初めてGearBestを利用しました。GearBestも、評判はそこそこ良さそうです。現在は、AliExpressでも安い出品があります。また、Amazonからも購入できます、

 今のところ、中国からの購入でトラブルに会ったことはありませんが、トラブルのことを考えれば、Amazonからの購入が安心です (が、3万円となると微妙なお値段になりますね。今では国内でもスペック的には劣るものの5万円前後で4K出力できるブランド品のパソコンが買えてしまいますので…)。

2.2 価格

 私が購入したのは、2016年の4月1日。GearBestで本体価格199.19ドルと配送保険料4.98ドルで計204.17ドルをPayPalで支払いました。

  • 支払額: ¥23,815 JPY ($204.17 USD)
  • 外貨換算レート: 116.64円/ドル
     3月31日から4月1日の間の高値/安値が112.7-111.6ドルなので、約4-5円の為替手数料が取られているようです。

 また、配送は無料指定。AliExpressの無料配送だと、シンガポールポストで2週間前後で届く場合が多かったのですが、GearBestの場合、ハンガリーポストでした。配達に時間が掛かりそうでしたが、Expedited Shipping (DHLなど国際宅配)より20ドルぐらい安かったので無料配送にしました。

 GearBestで再確認したところ、現在ではPriority Line (Japan Direct Line)という配達が3ドル弱でできるので、日本直送便が良さそうです。

f:id:toranosuke_blog:20170115165257p:plain
図1. GearBestの現在価格と配送オプション。(2017年1月17日現在)

2.3 配送

 注文から到着までえらく時間が掛かりました。

  • 4月 1日:注文
  • 4月12日:ハンガリーポスト受入
  • 5月 3日:到着
f:id:toranosuke_blog:20170115164850p:plain:w500
f:id:toranosuke_blog:20170115164856p:plain:w600
図2. 配送のトラッキング情報。
ハンガリーポストは受入は迅速に反映されますが、配送履歴がほとんどない。


 注文から到着まで約1カ月。ハンガリーポストのトラッキング情報も受入後は、なかなか更新されないので、ちょっと心配になりましたが、ブダペスト経由で地球一周の旅をして届いたようです(笑)。

2.4 梱包物

  • 本体
  • miniHDMI-HDMIケーブル
  • ACアダプタ(12V×2A, USB Type-Cのケーブルと一体)
  • マニュアル・保証書
f:id:toranosuke_blog:20170116003734j:plain:w500
図3. 梱包物。

3. 使ってみての感想

3.1 使ってみる

3.1.1 中身は普通のWindowsパソコン

 初期状態は、付属ソフト一切なしのシンプルな英語版の64ビット版Windows10 Homeです。現在は、日本語化して、ChromeやGoogleドライブ、TeraTermなど最小限のソフトだけインストールして使っています。日本語化については、以下の記事が参考になります。日本語化すれば、ごくごく普通のWindowsパソコンです

f:id:toranosuke_blog:20170116005008p:plain 図4. 4K画面のキャプチャ。

LG製の43インチの4Kテレビをモニタにして、パソコン作業用に使っています。1920x1080が4面分なので、ウィンドウを沢山開いてもストレスなく、非常に快適です。もう、1920x1080には戻れません (LGの最新モデルが7万円を切る価格になっています。10万円で4Kパソコンが手に入る時代になったのですね…)

3.1.2 やはり高温になる!

 ファンレスなので、負荷を掛ければ当然熱くなることが予想できますが、予想通りでした(笑)。ファンを付けた台の上に載せて使っています。ファンは、デスクトップPCを分解してでてきたものを使い回していますが、エアーフローは強力というわけではありません(これでも本体の表面温度は十分に下がる)。ノートパソコン用の冷却台なら、もっとよく冷却できると思います。

f:id:toranosuke_blog:20170117210347j:plainf:id:toranosuke_blog:20170117210356j:plain
(a) 下段の白いのがVOYO V3。
上段はラズパイ3とHDD×4台。
(b) 5cm角のファンを二つ取り付ける。
図5. ファンの設置。

3.1.3 温度を計測した

 ファンの有無や負荷の有無で、内部の温度を調べた結果を表1に示します。動画再生では、YouTube, Amazonビデオ, U-NEXTを3つ同時に再生してCPU負荷を上げています。負荷なし(①~⑥)のCPU使用率・CPU電力は、ちょっとしたことで大きく変動するので、無視しても構わないと思います (①だけは何か負荷がかかっていたみたい)。

 ファンの効果をみると、CPU・SSDを5℃から10℃程度冷却できているようです。いまは冬場なので、ファンなし・高負荷でもCPU温度80℃弱、SSD温度50℃で済んでいますが、夏場になれば、ファンは必須となりそうです。

Atom x7-Z8700の仕様上の許容温度は、90℃ (Intelのページ)。
FORESEEのSSDの許容温度は、70℃ (FORESEEのページ)

表1. VOYO V3のCPU温度と消費電力。
内部状態の計測ツールは、Open Hardware Monitor。消費電力の計測は、サンワサプライのワットチェッカー
ファンCPU使用率CPU温度CPU電力消費電力SSD温度室温
① 負荷なし 32.0 % 48 ℃ 3.1 W 5 W 33 ℃ 5 ℃
② 負荷なし 8.2 % 27 ℃ 1.4 W 5 W 21 ℃ 5 ℃
③ 負荷なし 3.9 % 38 ℃ 1.4 W 5 W 32 ℃ 10 ℃
④ 負荷なし 4.7 % 33 ℃ 1.4 W 5 W 28 ℃ 10 ℃
⑤ 負荷なし 1.5 % 47 ℃ 1.4 W 7 W 37 ℃ 18 ℃
⑥ 負荷なし 1.5 % 38 ℃ 1.3 W 7 W 32 ℃ 17 ℃
⑦ 動画再生 78.1% 77 ℃ 3.9 W 11 W 50 ℃ 18 ℃
⑧ 動画再生 85.9 % 79 ℃ 5.8 W 12 W 41 ℃ 17 ℃
f:id:toranosuke_blog:20170117203443p:plain
⑦ファン無し
f:id:toranosuke_blog:20170117203449p:plain
⑧ファン有り
図6. Open Hardware Monitorの出力例。
SSD温度がファン無しで50℃、ファン有りで41℃でした。

3.2 優れた点・気に入った点

  • 体感速度的には十分に実用的
    • Atomでも、ブラウザを普通に使う分には十分高速です。
    • メモリは4GBなのでそれなりですが、SSDが効果大。
       Chromeでいくつもタブを開くと、直ぐにメモリ不足になりますが、スワップが発生した場合でも、SSDなので、eMMCより高速に反応します。スワップに関しては、私が持っているSSHD(SSDキャッシュ付のHDD)のdynabook AZ77(CPU Core-i7)よりも、高速に感じます。
  • 4Kモニタにも出力できます
    • 3840x2160@30fpsで描画できます(dynabook AZ77と同じレート)
      但し、付属のHDMIケーブルではときどきチラつくことがありました。手持ちのケーブルに交換したら、問題なく表示できるようになりましたが。
  • 4K動画もなんとか再生できます
    • YouTubeの4K動画は、Chromeではときどきカクツキますが、Microsoft Edgeならば、スムーズに再生できました。
  • コンパクトで綺麗なデザイン
  • プリインストールされているソフトウェアがない
    • 中華製パソコンにありがちな余計なソフトウェアが全く入っていません。OSが英語版といっても中国系ソフトがプリインストールされていることがあるので、そういうものが全く入っていないところは安心できます。

3.3 残念な点

3.3.1 スペック上の残念な点

 スペックで予め分かっていることではありますが、有線LANポートがないのが残念な点です。

3.3.2 その他の問題点・残念な点

 中華製パソコンは、ハイスペック品が超低価格で買えるので、ついつい手が出てしまいますが、中華品質なので、買ってみないとどんなものが届くか良く分かりません(笑)。但し、数年前の中華タブレットに比較すると、遥かに品質は向上しています。デジタル系のところでは、ほとんど問題が起こることはなくなり、どちらかといえば、アナログ系で問題が発生します。

  • 本体が高温になる
    • ビデオ再生時など、負荷が高くなる場合に、本体が高温になります。お茶を入れたときの湯飲み茶碗ぐらいの熱さです。普通の負荷であれば、酷く高温になることはないので、大きいヒートシンクを本体に貼り付ければ大丈夫かもしれません。
  • wifiは、不安定で使い物にならない
  • 付属のHDMIケーブルでは、4K出力が不安定
    • 買い置きしてあったminiHDMI-HDMIのケーブルでは、問題なく4K出力できました。
  • スリープモードがない
    • シャットダウンするか、起動したままにする必要があります。
  • 標準で"voyo"というアカウントが設定されている
    • 直ぐに使えるので、便利と言えば便利ですが…。
  • 電源スイッチが華奢
    • 電源スイッチが少し華奢に感じます。可動部なので、将来的には故障する部分かもしれません(今のところ問題なし)。
  • Ubuntuがインストールできなかった
    • Ubuntu16.4でインストールを試みましたが、"efi:requiested map not found.“となって、残念ながらインストールできませんでした。インストールの仕方が悪かったのか、Ubuntu側のUEFI対応が不十分なのか、VOYOが原因なのかよく分かりません。

4. まとめ

 4KミニパソコンVOYO V3は、非常にコストパフォーマンスに優れたマシンです。但し、高温になったり、wifiが不安定だったりと、まだまだ中華品質なところが残りますので、そういう点に対処できるなら、十分に満足できるものではないかと思います。

(2017/1/18)

関連記事