虎之助の徒然記

自炊して本棚を捨てる (1) 機器購入編

 本棚を何台ももっている。電子書籍を買うにようにしているが、それでも本が溢れている。もう限界である。

 大部分は、今後も読むことはないのだから、どんどん捨てていけばよいのですが、捨てられない性格なんですよね。溜まりに溜まったDVDは、何年か前にハードディスクに移して、捨ててしまいましたが、本の場合は、いろいろ設備投資が必要で躊躇していました。最近、財布の紐が緩みっぱなしで、ついにスキャナ・裁断機を買ってしまいました(涙笑)。最終的には、本棚を一つ二つ捨てたいです。

 そこで、今回は、今やっている自炊についてまとめます。記事が長くなってしまったので、3つの記事に分けました。

 (1) 自炊のために買ったもの
 (2) 自炊のためのソフトウェア
 (3) 実際に自炊してみての問題点の指摘と感想

 今回は、自炊のために使ったスキャナ・裁断機・メンテナンス用品・パソコン本体についてまとめます。

1. スキャナ

 いろいろ自炊用スキャナの評判を調べてみると、富士通のScanSnapシリーズ(iX500 FI-IX500A)とCanon imageFORMULA (DR-C240)がよく使われている機種のようです。この2つの機種の私にとっての決定的な差 は、CanonのスキャナはTwainに対応、ScanSnapはTwain非対応の独自規格というところでした。フラットベッドスキャナでは、LinuxでTwainで使っていたということがあり、独自規格というのは受け入れられませんでした。

 最終的には、以下のサイトを参考にCanon imageFORMULA DR-C240を購入しました。

Canon キヤノン ドキュメントスキャナ imageFORMULA DR-C240

Canon キヤノン ドキュメントスキャナ imageFORMULA DR-C240

 到着してから気がついたのですが(汗)、wifi非対応でした(涙)。スキャンスピードからすると、少なくとも我が家のwifi環境では、通信ネックでスキャン速度がでないと思いますので、自炊している間は有線接続で問題ないと思います。自炊が一段落してヘビーに使うことがなくなったら、無線の方が使い勝手がよいので、ちょっと残念です。

2. 裁断機

 会社の裁断機を試しに使ってみましたが、大量の本を自分でカッターで切るのは非現実的と実感。裁断機も購入することにしました。

 このサイトを参考に、自分の使い方からすると、ダーレーDurodex 200DX か、 プラスPK513LNからの選択。

 コンパクト収納が可能なDurodex 200DXを購入することにしました。この機種は、AmazonのCanon DR-C240のページに「よく一緒に購入されている商品」で薦められている製品でもあります。

DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

3. メンテナンス用品

 メンテナンス備品としては、富士通のクリーナ(F1 FI-C100CF1)とキムワイ プを購入しました。自炊の定番商品のようです。

富士通 クリーナF1 FI-C100CF1

富士通 クリーナF1 FI-C100CF1

キムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

キムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

4. パソコン本体

 本体パソコンは、Windows10の東芝Dynabook AZ77。2015昨年11月に購入しました。メモリも16GBあるハイスペックノートなので、よっぽどのことがない限り、性能不足ということはないでしょう。

おわりに

 総額20万円ほどになってしまいました。パソコンを除いても、8万円強。1冊800円として、本を100冊買えますね...。

 最近、近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」を読みました。

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

 ノウハウ本というよりは、マインドからのアプローチの啓蒙書。自己啓発的でなんかニュー・エイジっぽい宗教的な雰囲気があります。服の畳み方などのテクニックは早速取り入れていますが、マインド変革ができていないので、なかなか片付きません。本についても、ご指摘の通り、ほとんどの本は2度と読みません。えいやと捨ててしまうのが正しいです。でも、頭では理解できていても、できないんです。

 神様・仏様・コンマリ様、悟りを開いて、早くときめく部屋に住みたいです。悟りを開けば、本棚を何本も自炊化するなどという在世の苦しみから救済されます(笑)。

 次回は、(2)スキャンのためのソフトウェアについてまとめます。

2016/5/20

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ROOM

楽天ROOMに自炊関連の商品をまとめています(随時更新)。

Markdown初心者が、はてなブログをemacsで書く

 はてなブログの初心者です。これまで、はてな記法を使ってブラウザで記事を書いていましたが、エディタに慣れないのに加えて、反応が遅く、時々、書きかけの記事が飛んでしまうなどと我慢ができなくなって、はてな記法からmarkdown記法に移行し、emacsで編集することを決意しました。

 そうは言っても、markdownについては全く知らないずぶの素人です。環境構築と、はてな投稿までの流れをまとめようと思います。基本的には、emacsで編集・プレビューし、はてなブログにインポートして、はてなのWebのGUIで図の引用や体裁を整えるというフローです。

1. markdown編集環境の構築

1.1 markdown編集環境の条件

 構築する編集環境の条件は、以下の通り。

  • OSは、ubuntu (できれば、raspbianも)
  • emacsエディタで原稿が書けること。
  • 基本的な操作はCUIであること。

 調べると、いろいろと出てきますが、emacsで良く使われるのは、markdown-mode.elのようです。

 markdown-mode.elの公式ページ: http://jblevins.org/projects/markdown-mode/

 今回は、ubuntuの15.10にmarkdown-mode.elをインストールして、この記事 を書きました。

1.2 markdown-mode.elのインストール

 ubuntuのレポジトリにmarkdown-modeがないかと調べてみると、 emacs-goodies-el パッケージに入っていました。よって、apt-getでインストー ル。

$ apt-cache search markdown-mode
  emacs-goodies-el - Miscellaneous add-ons for Emacs
$ apt-cache show emacs-goodies-el | grep markdown-mode
  markdown-mode - major mode for editing Markdown files;
$ sudo apt-get install markdown emacs-goodies-el

 markdown-mode.elのバージョンは、2.0(2013-3-18)でした。最新 の2.1(2016-01-09) に比べると少し古いバージョンですが、凝ったことをする わけではないので、十分でしょう。

 .emacsの編集はなし。.emacsを編集して便利にカスタマイズするのが良いの でしょうが、いろいろなところで環境構築していると、個別に設定するのが面倒になっ てきて、できるだけカスタマイズせずに使うようになっています。

 マシンの設定は、これで完了。検索して調べてみると、markdown環境の構築 は難しそうだなぁと思っていましたが、あっさり終わってしまいました。後は 使い方を覚えるだけです。

2. emacsで原稿を書く

2.1 emacsを起動する

 emacsを起動して、原稿を書く。拡張子は.mdとするのがお作法みたい。ここでは、foo.mdにしています。

$ emcas -nw foo.md

 "M-x markdown-mode"でmarkdownモードに入り編集します。...が、ちょっと面倒だったので、.emacsに以下を追加。拡張子mdのファイルは自動的に markdownモードになります。

(add-to-list 'auto-mode-alist'("\\.md\\'" . markdown-mode))

2.2 markdown文法で編集

 はてなブログのGUIで試し書きすれば、基本的な文法は分かりますので、マニュアルはほとんど読まずに記事を書けそうです。

例えば、2節は以下のコードで書いています。ASINによるAmazon商品の引用もできます。

### 2. emacsで原稿を書く

#### 2.1 emacsを起動する
 emacsを起動して、原稿を書く。拡張子は.mdとするのがお作法みたい。ここでは、foo.mdにしています。

 ```
 $ emcas -nw foo.md
 ```

 "M-x markdown-mode"でmarkdownモードに入り編集します。...が、ちょっと面倒だったので、.emacsに以下を追加。拡張子mdのファイルは自動的に
markdownモードになります。

 ``` 
(add-to-list 'auto-mode-alist'("\\.md\\'" . markdown-mode))
 ```

#### 2.2 markdown文法で編集

 はてなブログのGUIで試し書きすれば、基本的な文法は分かりますので、マニュアルはほとんど読まずに記事を書けそうです。

* 日本語Markdownユーザ会: [http://www.markdown.jp/]
* markdown文法のマニュアル:[http://adiary.org/v3man/Markdown/syntax]
* [http://igcn.hateblo.jp/entry/2016/02/14/073123:title]
* markdownのマニュアル本:[asin:4777518329:detail]

2.3 htmlに変換し、ブラウザでプレビュー

 emacsのショートカットコマンドを使って、プレビューします。 HTMLへの変換は、/usr/bin/markdownコマンドが実行しているので、markdownパッケージをインストールしていないと、エラーします。

  • "C-c C-c p"(markdown-preview)
    ブラウザ(firefox)が立ち上がり、/tmpに書きだされたhtmlファイルを表示する。 ファイル名は、/tmp/burl10957TGR.htmlといったファイル名で、10957のところはemacsのプロセスIDのようです。
  • "C-c C-c e"(markdown-export)
    編集しているfoo.mdを変換し、foo.htmlに出力します。
  • "C-c C-c v"(markdown-export-and-preview)
    foo.htmlを出力し、そのファイルをブラウザで開いて表示する(新しいタブで表示する)。

 その他のmarkdown-modeのショートカットキーは"C-c C-h"で表示できます。

 markdown-export-and-previewでブラウザに表示して、それ以降は、makdown-exportでファイル更新、ブラウザでリロード、といった使い方になりそうです。markdown-previewの場合、プレビュー毎に新たなタブが生成されるので、ときどきタブを閉じる必要があります。また、markdown-previewは開いたタブの先頭から原稿を表示するのに対して、markdown-exportしてリロードだと、前回のプレビュー位置で表示されるので、ブラウザをスクロールする必要がなくなります。

(追記) 暫く使ってみたら、"C-c C-c e"(markdown-export)は、かなり多用するので、打ちやすいように"C-c C-c C-e"にもコマンドをアサインしました。.emacsには、以下を追加。

(require 'markdown-mode)
(define-key markdown-mode-map (kbd "\C-c \C-c \C-e") 'markdown-export)

f:id:toranosuke_blog:20160516155654p:plain
左がemacs、右がfireroxのウィンドウ。ほとんどはemacs画面で作業し、プレビューするときだけ、マウスを動かして、firefoxのリロードボタンを押します。マウス作業がほとんどないので、文章作成に集中できます。加えて、肩こり持ちには健康的。

3. はてなブログで編集

画像入力、文字修飾、最終的な校閲をはてなブログのGUIで行いました。

3.1 markdownファイルのImport

 markdownファイルのインポートの仕方が分からなかったので、コピペで、はてなブログにインポート。emacs -nw だとコピペが面倒なので、このときだけはnwオプションなしのGUIベースのemacsで作業しました。

3.2 はてなブログで原稿を仕上げる

 画像のインポートは、はてなブログGUIでやるしかなさそうです。文字修飾は、markdown文法を勉強すれば、いろいろできるようですが、markdown素人には、markdown文法で直書きするよりGUIベースの方が分かりやすいです。

4. はてなブログの原稿をバックアップ

markdown原稿とMT(MovableType)形式でバックアップする。

  • Markdown原稿の保存:はてなで編集した原稿をコピペで、emacsに戻して、保存する。
  • MT形式の保存:公開した記事をはてなのExport機能で保存。
    全記事をダウンロードしてしまうようなので、emacsで該当する記事のみを切り出して、保存する。
f:id:toranosuke_blog:20160517083034p:plain:w400
このページのずうっと下にエクスポートの項目がある。
f:id:toranosuke_blog:20160517083046p:plain:w400

参考:http://staff.hatenablog.com/entry/2014/08/22/180000
* ダウンロードしたMT形式のファイルのこの記事の部分は、途中で途切れていました。この機能、正常に動作しているのでしょうか?

5. おわりに

 これまで、はてなブログのGUIではてな記法を使ってきましたが、Markdownに移行することで、emacsで安心・快適・効率的に記事を書けるようになりました。環境構築は難しそうだったので、移行に躊躇していましたが、やってみれば案外簡単。emacs環境で記事が書けるようになったのが嬉しいです。

2016/5/16

(追記:20016/5/21)  raspberry piでも、問題なく動きました。 但し、"C-c C-c p"(markdown-preview)で立ち上がるのは、firefox(iceweasel)ではなく、 Leafpadでした。"C-c C-c v"(markdown-export-and-preview)ではfirefoxが立ち上がります。

 はてな原稿のhtmlのプレビュー程度であれば、iceweaselも十分高速なので、pi3ははてな原稿の編集マシンとしては実用的に使えそうです。

関連記事

Raspberry Pi3をデスクトップPCとして使ってみる (2) 利用編

 前回の記事では、基本的なセットアップまでを書きましたが、今回はデスクトップとして少し使ってみて気になったところを書きます。私がデスクトップPCとしてよく使うのは、(1) ブラウザ、(2) 文書編集(LibreOfficやGoogle Sheet、Latexなど)、(3) マルチウィンドウでターミナルを開いての作業です。Windows系だとAmazonビデオやU-Next、YouTunetなど動画視聴することはありますが、普段はタブレットやChromecast/FireTV stickを使うので、ラズパイで視聴することはないと思いますので、今回は見送ります。

(1) ブラウザ

Iceweasel(firefox)のインストール

 標準でインストールされているブラウザ・検索エンジンは、Epiphanyブラウザ + DuckDuckGoという検索エンジン。Ephipanyの検索エンジンの変更の仕方(*1)が直ぐに分からなかったので、chromiumやiceweasel(firefox)をインストールすることにする。

 chromiumは、apt-getでインストールできるはずですが、chromium-l10nパッケージが依存するchromiumパッケージに不整合があり、現状では標準レポジトリからのインストールはできません(*2)。

$ sudo apt-get install chromium-l10n
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています
状態情報を読み取っています... 完了
インストールすることができないパッケージがありました。おそらく、あり得
ない状況を要求したか、(不安定版ディストリビューションを使用しているの
であれば) 必要なパッケージがまだ作成されていなかったり Incoming から移
動されていないことが考えられます。
以下の情報がこの問題を解決するために役立つかもしれません:

以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
chromium-l10n : 依存: chromium (>= 50.0.2661.94-1~deb8u1) しかし、インストールすることができません
E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。

firefox(iceweasel)でも構わないので、chromiumは即座に諦め、iceweaselをインストールしました。

$ sudo apt-get install iceweasel-l10n-ja

 ラズパイのiceweaselでのgoogle検索では、なぜかモバイル版の結果が表示されてしまいます。user-agentを偽装することでPC版を表示できるようになります。今回は"User Agent Switcher"というFirefoxのaddonを使って変更しました。
https://addons.mozilla.org/en-us/firefox/addon/user-agent-switcher/
アドオンをインストールしiceweaselで、「メニューバー」→「ツール(T)」→「Default User Agent」を選択し、他のブラウザ(Internet Explorer8)に変更する。

*1: epiphanyの設定ファイルを編集することで、変更可能。
「Raspberry Piで学ぶ電子工作」補足情報: ブラウザepiphanyの検索エンジンを変更する
*2: 暫く待てば標準レポジトリからもchromiumをインストールできると思いますが、以下の方法でも可能。
Raspberry Pi 3 で Chronium browser を使う - MMAys's blog
Guide: Chromium 51 on Raspbian Jessie - Raspberry Pi Forums

使用感

 遅い!一言、これに尽きます。動作そのものは安定していますが、CPU性能不足なのか、メモリ不足なのか、動作が非常に遅いです。タブをいくつか開くと、すぐに700MB-800MBのメモリを消費します(ラズパイのメモリは1GB)。ちょっとの調べものに使う程度であれば許容の範囲ですが、普段使いの代替にはなりません(*3)。

*3: はてなブログの編集はもともとハイスペックなマシンを要求します。このブログを書くにあたっては、途中までラズパイだけで書いていましたが、耐えられず、リモートデスクトップで接続してラズパイの作業をし、ローカル端末のブラウザ(chrome)でブログを編集しました。リモートデスクトップの設定は後述します。

(2) 文書編集

ドキュメント・スプレッドシートの編集(LibreOffice, Googleアプリ)

 LibreOffice : LibreOffice(主にスプレッドシート)は標準でインストールされているので、あとは使うだけ。ヘビーな編集をするわけではないので、軽快とはいきませんが、十分に使える範囲です。

 Googleアプリ : GoogleドライブやGoogleドキュメント・Googleスプレッドシート等のGoogleアプリはラズパイのiceweaselをサポートしていないようで、アクセスしにいくと「Googleドライブを使用するにはブラウザをアップデートしてください」というようにヘルプページに飛ばされます。これには、user-agentをMicrosoft Edgeに偽装することで、回避することができました。前述のUser Agent Switcherを使いますが、デフォールトの設定ではMicrosoft Edgeはありませんので、以下の設定ファイルをダウンロードして利用しました。

 iceweaselで「メニュー」→「アドオン」→「拡張機能」→「設定」→「Import」からダウンロードしたXMLファイルを読み込むことで、「ツール(T)」からいろいろなuser-agentを設定できるようになります。ここで、Microsoft Edgeを選択すると、GoogleドライブやGoogleドキュメントなどGoogleアプリが使えるようになりました(IE8, IE10, IE11, Safariではうまく動作せず)。一応は使えるようになりましたが、Webブラウジングの場合と同様に非常に重く、残念ながら軽快に使えるというわけではありませんでした。

emacsによるテキスト編集

 テキストファイルの編集は、emacsを使っています。主にマシン設定や簡単なメモ書き、LaTex文書の作成に利用しています。インストールは、以下の通り。

$ sudo apt-get install emacs

 通常は、ターミナルで"emacs -nw"とNo Windowオプションをつけて起動しているので、問題なく軽快に使えています。ラズパイに限らず、GUIで使うよりも、ターミナルで使うほうが高速だし、Ctrl-zで中断してターミナルに戻れるので便利です。

Latexによる文書作成

 Latexとxdvi, evinceのインストールは、以下の通り。

$ sudo apt-get install texlive-doc-ja xdvik-ja # platex, pbibtex, xdvi, dvipdfなど
$ sudo apt-get install evince         # PDFビュアー

 インストールに1時間以上と非常に時間がかかりました(ダウンロードには時間がかかっていないので、原因は、SDカードでしょうかね...)。
 Latexをちょっと使ってみました。少々もたつきますが、実用レベルです。

f:id:toranosuke_blog:20160515081952p:plain
xdviとemacsを用いたLatex文書作成 (画面サイズは1600x1200です)

(3) ターミナルによる作業

 標準のターミナル(lxterminal)を使っています。複数のターミナルを使っても特に問題ないです。gnome-terminalがいつも使っているターミナルなので、インストールしてみました。

$ sudo apt-get install gnome-terminal

いまのところ、lxterminalでも、gnome-terminalでもどちらでも構わないという印象です。

(4) タスクバーの設定

 いろいろ弄っていたら、タスクバーのショートカットが消えてしまった(汗)。lightdmでは、アプリのアイコンをつまんで、タスクバーに貼り付けられないようなので、設定しなおしました。

  • タスクバーで右クリック。
  • 「パネルの設定」→「パネルアプレット」タブ→「アプリケーション・ランチャー」の「設定(P)」
  • 「アプリケーション・ランチャー」のウィンドウがでてくるので、アプリケーションを追加・削除する。

(5) リモートデスクトップによる接続

 Windowsから、ラズパイにリモートデスクトップで接続できるように設定しました。昔は、VNCサーバ(vnc4serverやtightvncserverなど)を立ち上げて接続していたこともあるのですが、Windows側には極力ソフトウェアはインストールしないようにしているので、最近はxrdpを使ってリモートデスクトップ接続で利用しています。

xrdpサーバを立ち上げる(on ラズパイ)

 ラズパイ側にリモートデスクトップサーバ(xrdp)をインストールする。

$ sudo apt-get install xrdp

 以下のページを参考に日本語キーボード用に設定する。
キー配列について - 日本 xrdp ユーザ会

$ cd /etc/xrdp
$ (cd /tmp; wget http://w.vmeta.jp/temp/km-0411.ini)
$ sudo cp /tmp/km-0411.ini .
$ sudo ln -s km-0411.ini km-e0200411.ini
$ sudo ln -s km-0411.ini km-e0010411.ini
$ sudo service xrdp restart

 現在は、wifi/dhcpでの接続なので、ifconfigでIPアドレスを調べる。

$ ifconfig
   :
wlan0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス b8:27:eb:59:3c:d1
inetアドレス:192.168.1.9 ブロードキャスト:192.168.1.255 マスク:255.255.255.0
inet6アドレス: 240d:1a:183:8300:5916:75db:5a2f:b386/64 範囲:グローバル
   :

 このアドレス(192.168.1.9)でWindowsの「リモートデスクトップ接続」で1920x1080で接続。43型4Kテレビへの表示なので、文字が小さすぎるというような問題はありません。4KノートPCだと、よっぽど目が良くないと、つらいでしょうね。


f:id:toranosuke_blog:20160515081950p:plain
4KモニタのWindows上で、1920x1080サイズでラズパイにリモートデスクトップ接続。右上のウィンドウがラズパイ(ラズパイ内でiceweaselを起動)、左側のウィンドウはWindows上のchrome。

f:id:toranosuke_blog:20160515081951p:plain
さらに、3840x2160サイズのリモートデスクトップを追加。背景部分が2つ目のリモートデスクトップですが、4Kサイズでラズパイ画面が表示できました。

(6) クライアントしての接続

 ラズパイをクライアント端末として使ってみました。手元にリモートデスクトップ接続できるマシンがなかったので、WindowsをVNCサーバにしてVNC接続することにしました。

VNCサーバの設定 (on Windows10)

 VNCサーバとしては、UltraVNC(1.2.1.0)をインストールしました。

 ダウンロード元: 「UltraVNC」PCリモート操作ソフト - 窓の杜ライブラリ

 UltraVNCのインストールのオプションは、デフォールトのままです。インストールできたら、「UltraVNC Server」を起動し、タスクバーに隠れているVNCサーバのアイコンから「Admin Properties 」→「UltraVNC Server Property Page」を開き、VNCパスワードを設定します。これで、VNCサーバ側の設定は終了です。


f:id:toranosuke_blog:20160515111748p:plain
Admin Propertiesを選択する。

f:id:toranosuke_blog:20160515111804p:plain
UltraVNC Server Propertyp PageからVNCパスワードを設定する。

VNCクライアントの設定 (on Raspberry Pi)

 ラズパイ側は、vncviewerをインストールしました。

$ sudo apt-get install xtightvncviewer
$ vncviewer

 vncviewerを起動するとポップアップ窓が開きますので、サーバのIPアドレス (あるいは、ホスト名)を入力、次にVNCパスワードを入力することで、VNCサーバに接続できます。いまのところ、ラズパイからWindowsへのVNC接続が非常に遅い、遅すぎです。Windowsからラズパイにリモートデスクトップ接続して、ラズパイからWindowsにVNC接続する(要するに画面が往復している)よりも遅かったので、ネットワークが不調(Windows側のネットワークはいまいち安定していない)、あるいは、設定が悪いのが原因ではないかと思います。もうすこし、調べないと評価できないですかね。ラズパイの性能からすると、特に問題ないレベルでシンクラ端末として使えると予想しています。

(追記:2016/5/21)
ネットワークが原因でした。ラズパイからWindowsへのVNC接続で多少レスポンスの悪さはありますが、使える範囲です。Windows側のYouTube再生で15frame/sec前後のスピードがでています 。ただし、現状では音声はでていません。Windowsからラズパイへのリモートデスクトップ接続でもYouTube再生ができました。但し、こちらは8frame/secぐらいの速度で遅いです。ラズパイ本体での再生は、ブラウザ内で再生する分には問題はありませんが、全画面表示ではまともに動きませんでした。


f:id:toranosuke_blog:20160515115241p:plain
ラズパイからWindowsにVNC接続

f:id:toranosuke_blog:20160515115619p:plain
(お遊び) Windowsからラズパイにリモートデスクトップ接続し、ラズパイからWindowsにVNC接続。左上の1920x1080のウィンドウがリモートデスクトップの画面で、その中に再帰的に画面が表示されます。表示の遅延があるので、ウィンドウを動かすと、徐々に反映されていくので、見てて面白いです。

おわりに

 現状のラズパイは、ブラウザが遅くて単独のデスクトップ端末としてはまだまだ実用的に使えるレベルにはないです。しかしながら、テキストベースの処理では少々遅く感じるものの実用的な使い勝手が得られます。まあ、20年前に30MHzのCPU, 32MBのメモリのUnixマシンで、お仕事でemacs/gccを使って開発、Latexで文章を作成していた頃と比べると、はるかに高性能なハードウェアなので、実用的で当たり前といえば当たり前ですが。

 個人的には、同じぐらいの価格帯(1万円程度)でLinuxデスクトップPCを構築するとすれば、Intel CPUの中華ミニパソコンにdebianやubuntuをインストールする方が実用的に使えるデスクトップマシンを構成することができると思います。1年ほど前に中華スティックPC(初代MeeGoPad: Intel Atom Baytrail Z3735, 2GBメモリ, 32GB-eMMC)にubuntuやdebianをインストールしましたが、現状のラズパイ以上の速度と実用性がありました。中華パソコンの場合、Linuxのインストール実績がある機種を選んでおかないと、苦労しますけど(実績あっても難儀した)。

 次回は、当初予定していたファイルサーバの構築について書こうと思います。

2016/5/14

次の記事


関連記事

Raspberry Pi3をデスクトップPCとして使ってみる (1) セットアップ編

 RaspberryPi3が発売されてしばらく経ちましたが、ファイルサーバに使っていた初代Raspberry Piのリプレースのつもりで、pi3を購入しました。初代よりも速度性能が10倍以上あるということなので、今回はデスクトップ環境でインストールしてみました。

購入したもの

 Amazonの売れ筋品からケース付きラズパイ本体(6,980円)、ヒートシンク(850円、本体とセット購入で750円引き)、推奨の5V*2.5A(=12.5W)に近い5.2V*2.4A(=12.48W)のUSB電源(900円)、64GBのmicroSDXCカード(2,180円)、HDMIケーブル(432円@ダイソー)、microUSBケーブル(108円@ダイソー)を購入。計10,700円。それ以外のキーボード、モニタ等は、在り合わせのものを利用しました。

Raspberry Pi Model Pi2 / Pi3 用 ヒートシンクセット

Raspberry Pi Model Pi2 / Pi3 用 ヒートシンクセット

RoiCiel USB電源アダプタ 12W

RoiCiel USB電源アダプタ 12W

(追記:2019/2/20) ラズパイ関連の機器を楽天ROOMにまとめました(ここ)。現在は、Raspberry Pi3 B+のスターターキットを利用するのがよいでしょう(→amazon)



セットアップ

以下のサイトを参考に、Raspbian Jessieをインストールしました。

1. デスクトップ用のイメージをダウンロード
 https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/
 ダウンロードしたファイル:2016-03-18-raspbian-jessie.zip(1.3GB)

2. microSDカードにイメージを書き込む
 作業はdebianパソコンで行いました。microSDをUSBタイプのカードリーダに入れて、書き込み(今回の環境では、デバイス名は/dev/sdb。パソコン直付けのSDカードリーダだと、/dev/mmcblk0といったデバイス名になることが多いです)。

$ unzip 2016-03-18-raspbian-jessie.zip
$ sudo dd if=2016-03-18-raspbian-jessie.img of=/dev/sdb bs=1m

3. 配線と起動
 SDカードができたら、モニタ・キーボード・電源を配線。電源アダプをコンセントに挿すと、自動的に起動します。
 サーバで24時間運用なら電源スイッチはなくても構わないけど、使う時だけ電源オンにしたいときには、電源ボタンが欲しいところですね。

4. GUIでラズパイの基本セットアップ
raspberry pi configurationを起動してGUIベースで設定する。
4.1 raspberry pi configurationの起動
 「Menu」→「Preference」→「Raspberry Pi Configuration」で起動する。
4.2「system」の設定
 a) "Expand Filesystem"をクリック(なぜか既に拡張済みで64GB全体が認識されていました)
 b) "Hostname"の設定
 c) "Auto login"をここでオフにしようとしたけれど、うまく動作せず(後で設定方法を説明します)。
4.3 「Localisation」の設定
 a) "Set Locale" : "Language"を"ja(Japanese)"に設定 (自動的に"Country"がJP(Japan), "Character Set"がUTF-8に設定される)
 b) "Set Timezone" : "Area"を"Japan"に設定(自動的に"Area"がAsia, "Location"がTokyoに設定される)
 c) "Keytboard": "Japanese"に設定
 d) "WiFi Country": "JP Japan"に設定(国設定の意味は不明。設定しなくても特に問題なく動作する)

5. wifiの設定
 タスクバーのネットワークアイコンをクリックして、アクセスポイントを選択し、セキュリティキーを入力。これでネットワークが確立する。

6. 日本語環境のセットアップ
6.1 vlgothicフォントとibus-mozc(Google日本語入力)を設定する。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install fonts-vlgothic
$ sudo apt-get install ibus-mozc

sudo でパスワードを要求されたら、アカウント"pi"のパスワード"raspberry"を入力。
6.2 再起動

$ sudo reboot

これで、mozcが使えるようになったけど、もし起動しないようだったら、
 「Menu」→「設定」→「入力メソッド」の「追加」から、Mozcを選択する。
6.3 タスクバーの「US」アイコンをクリックして、「日本語-Mozc」を選択する。
6.4 プロパティーパネルを表示する(「Menu」→「設定」→「IBusの設定」から「自動的に隠す」に設定)。

7. ラズパイ全体を最新版にアップデートして、再起動。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade
$ sudo reboot

アカウントの設定

初期設定のユーザアカウント"pi"で使い続けるのは気持ち悪いので、新規にアカウントを作成しました。

1. rootパスワードの設定とユーザの追加
rootとpiのパスワードを設定・変更し、新規ユーザ(tora)をsudo権限で追加する。

$ sudo passwd pi        # pi のパスワードを変更する。
$ sudo passwd root       # rootのパスワードを設定する。
$ sudo adduser tora      # 新規ユーザtoraを作成する。
$ sudo gpasswd -a tora sudo  # toraをsudoグループに追加する。
$ sudo sudoedit /etc/sudoers  # piのパスワードなしの実行権限をなくす。
 #pi ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL # 最後の行をコメントアウト。

注意:/etc/sudoersを編集する前に、rootのパスワードを設定しておくことを強くお勧めします。/etc/sudoersの編集がおかしいと、sudoでroot権限での実行ができなくなり、復旧に苦労します。

2. 自動ログインの変更
自動ログインがpiアカウントに設定されているので、/etc/lightdm/lightdm.confを編集して変更します。

$ sudo nano /etc/lightdm/lightdm.conf
117行目に"autologin-user=pi"という行があるので、自動ログインするならユーザ名をtoraに変更、しないならコメントアウト。

CapsLockキーとControlキーを入れ替える

/etc/default/keyboardを編集して、XKBOPTIONS="ctrl:swapcaps"を設定する。

$ sudo nano /etc/default/keyboard

再起動後、有効になります。

XKBの設定ルールは、/usr/share/X11/xkb/rules/xorg.lstに書いてあります。例えば、

ctrl:nocaps Caps Lock as Ctrl

XKBOPTIONS="ctrl:nocaps"とすれば、CapsLockキーがCtrlキーとして動作するようになります。

おわりに

これで、基本的な設定は、終了です。GUIベースで設定できるようになったところも多いので、比較的簡単に設定することができました。分からないことがあれば、すぐに情報が得られるところが、ラズパイのいいところですね。

次回は、デスクトップ環境で使っていて、気になったところを記事にしたいと思います。

2016/5/8

次の記事

テレビが壊れても、インタネットだけで結構なんとかなる

 最近、テレビの調子が悪い。B-CASカード周りの不具合だと思いますが、テレビ側が悪いのか、B-CASカード側が悪いのか、問題を特定するのが面倒で放置しています。

 娯楽系はU-NEXTやAmazonビデオでドラマ・映画などを観ることが多いので、それほど困らないのですが、ニュースはやはり見たいです。

「動画deニュース連続再生!」が秀逸

 調べてみると、「動画deニュース連続再生!これでもうテレビ要らず!」というニュースアプリがありました。これがなかなか秀逸。

 チャンネルリストにいろいろありますが、ANN news(テレビ朝日)、FNN news(フジテレビ)、TBS news-i (TBS)を設定しています。途中切り替えの間がありますが、連続再生なので、テレビのようにみることができて、便利です。「新着動画」で1時間ぐらいのコンテンツ(ほとんどがANN)がありますので、主なニュースは網羅されているのではないかと思います。

 英語ニュースが中心になりますが、NHKが国際放送NHK WORLD TVをライブでインタネット配信しています。パソコン, iPhone, iPad, Android, FireOS, FireTVのアプリがあるので、大抵のプラットフォームで見られると思います。


NHK WORLD TV

NHK WORLD TV

  • NHK (Japan Broadcasting Corporation)
  • ニュース
  • 無料

その他、試してみたニュースアプリ

  • ABC News Breaking US & World news (ABC digital / iPhone, iPad)
     iPhone,iPadともにライブ放送も見ることができます。
    Breaking US & World News + Live Video

    Breaking US & World News + Live Video

    • ABC Digital
    • ニュース
    • 無料
  • ABC news 7 (Calkins Media Incorporated / FireTV)
     ABC digitalによる由緒正しいアプリでないためか、対応チャネルが違うためか、ライブ放送の内容が,iPhone,iPadと異なります。
  • BBC news (BBC Worldwide Limited / iPhone,iPad,FireTV)
     FireTVは、コンテンツを連続再生、ライブには対応していません。iPhone,iPadでは、メニューからすぐにアクセスできる"LIVE"は音声のみの放送。メニューを探っていくと、キャメロン首相の国会答弁のサムネイルがでてきました。iPhone,iPadでは"LIVE"マークがついているコンテンツなので、おそらくライブ放送です。FireTVでも、キャメロン首相のサムネイルも出てくるのですが、文字コンテンツのみで映像はでてきません。iPhone,iPadでのコンテンツ連続再生の仕方は良くわからず。
    BBC News

    BBC News

    • BBC Worldwide
    • ニュース
    • 無料
  • Fox News (Fox News Channel / iPhone,iPad,FireTV)
     iPad, FireTVともにコンテンツを連続再生できます。iPhoneはなぜか連続再生してくれません。FireTVのコンテンツは、iPhone, iPad版のUS向けサブセットのようです。iPhone, iPadではライブ放送もありますがログインが必要で、たぶん有料。FireTVではライブはなし。
    Fox News

    Fox News

    • FOX News Digital
    • ニュース
    • 無料
  • WSJ Live (Dows Jones / iPhone,iPad, FireTV)
     コンテンツの連続再生のみで、ライブ放送なし。FireTVでは連続再生できません。
    WSJ Live

    WSJ Live

    • Dow Jones & Company, Inc., publisher of The Wall Street Journal.
    • ニュース
    • 無料

 どれも、CMはないので、どうやって費用回収しているのでしょうか...。

 FireTVの場合、時々、再生が止まったり*1、画質が悪くなることがありますが、テレビで見られて、テレビリモコンでコントロールできるので、便利です。

 いろいろ試してみましたが、結局、「動画deニュース」(iPad)と「NHK WORLD TV」(FireTV, FireHD7)でニュースはほぼ済ませています。インターネットだけで結構なんとかなってしまいますね。

そうは言っても、やはりテレビを修理しなければいけないよなぁ。B-CASカードが悪いだけなら、再発行してもらえばよいだけだろうけど、本体の不具合だったら、どうしよう...。

Fire TV Stick

Fire TV Stick

Amazon Fire TV

Amazon Fire TV

2015/11/14

*1:使っているのが、FireTV Stickなので、メモリが1GBと小さいことが原因と疑っています。2GBメモリのFireTVなら問題ないのかもしれません。

いろいろ悩んで17型ノートdynabook AZ77を購入した

 10年ぶりのメインのノートパソコンの買い替えで、東芝製の17型ノートパソコンdynabook AZ77を購入しました。

http://toshibadirect.jp/pc1/catalog/az87-az77-2015-fallwinter-paz87t-paz77t/img/img_az77-2015-fallwinter-paz77t_main.jpg

ここでは、新規購入したノートパソコンの選定について記事にしてみました。

10年ぶりのパソコン買い換え
 10年ぶりの買い替えです。これまでに使っていたノートパソコンは、2005年に購入のNEC製の15型ノートパソコン。いままで買い換えなかった理由は、このパソコンよりも上のスペックのパソコンがないからです。それは、15インチQXGA(2,048x1,536)というハイスペック液晶の仕様。当時としては、唯一の個人向けQXGAパソコンでした。今でも、4:3画面のノートパソコンとしては、最強スペックです(ワイド画面を含めても15型4Kでは縦方向が小さすぎるので、比較対象となるのは17型4K)。

 当初はWindowsXPでしたが、何年か前にHDDをSSDに換装・Linuxをインストールして延命させていました。ホームユースは、基本的にブラウジングと簡単な文書作成(LibreOffice)とちょっとした操作(ラズパイのメンテなど)をするだけだったので、これでも十分でした。しかし、最近、ブログを書くようになってから、重さに耐えられなくなり、買い替えを決意するに至りました(笑)。

ハイスペックな要求仕様
 スペックダウンしたくはないので、希望はかなりハイスペック。

  1. ディスプレイ
    • 画像解像度: 15型QXGA(2048x1536)であったので、フルHD(1920x1080)は明らかにスペックダウン。できれば、4K液晶(3840x2160)クラスがほしい。4Kテレビも安くなったので、4K出力もあるといい。
    • 画面サイズ: 15型フルHD液晶は縦方向が短いので、できれば17型以上。17型でも、4:3画面の15型に比べると、高さ方向は小さいのですよね。
  2. メモリ: 仮想マシンを動作させることで、dual OSにするつもりなので、できれば16GB以上。
  3. CPU; 仮想マシンを考えると、できれば4コア・8スレッド以上。最新、CPUでなくても構わない。
  4. ハードディスク: 256GB以上のSSD。
  5. 光学ディスク: ブルーレイ対応。
  6. 価格: 20万円以下
  7. OS; できれば、Windows10。マイクロソフトOfficeは不要。
  8. メーカー:大手ベンダ

 条件をほぼ満たすパソコンは、DELLの17型4Kの最強ノートパソコン。388,778円。でも、予算的に無理。

価格コムでいろいろ検索して候補を絞った
 適当に条件を緩めて、価格コムで検索してみました。

 価格差3万円以内なので、ここからは自分の使い方をもう少し良く考えて選定しました。

  1. 本当に4Kが必要か?
     最近目が悪くなったため、15型QXGAでもオーバースペック気味なので、15型ならフルHDで十分かと思っています。17型4Kは選択肢としてないので、画面解像度はフルHDに決定。
  2. 15型?17型?
     基本的に大きい方がよく、価格差も小さいので、17型に決定。

 すると、残るは東芝dynabookからの選択となります。dynabook AZ67, AZ77, AZ87の主な違いを表にまとめます。

型番 AZ67 AZ77 AZ87
CPU Core i7 6500U
(Skylake)
2.5GHz, 2コア
Core i7 4720HQ
(Haswell Refresh)
2.6GHz, 4コア
メモリ 8GB 16GB
グラフィックスGeForce 930M
+ Intel HD Graphics 520
Intel HD Graphics 4600 AMD Radeon R9 M365X
外部出力フルHD4K
光学ドライブ DVD ブルーレイ
価格119,720円127,280円135,380円
 AZ67からAZ77への変更で、2コアから4コア、メモリ8GB から16GB、外部4K出力可能、DVDからブルーレイとなるので、CPU世代が多少古くても、8千円ほどの価格差なら、AZ77。AZ87とAZ77は、グラフィックスチップのRadeonへの変更だけなので、8千円余計に払う必要はないということで、やはりAZ77。
 最終的に、dynabook AZ77の価格コムモデルを購入することにしました。東芝会員(ROOM1048会員)に登録すると、ほんの少しだけ割引があります。価格コムモデルを購入せず、純正モデル(何が違うのか不明)を購入する場合には、東芝会員になることをお勧めします。会員価格は非公開でしょうから、ここでも伏せておきます。
 あまり考えず、価格コムモデルを買ってしまいましたが、この記事を書くのにあたって、調べ直してみると、もうちょっと安いところがありました。個人情報との引き換えもないので、そちらの方から買えばよかったかと少々後悔。

実際に使ってみた感想

  • 画面について
     15型は店頭でみて大きく感じたので、17型はもっと大きいのかなぁと思ったのですが、10年前の15型QXGAノートと並べると大きさを感じません。15型QXGAノートと比較すると、縦方向の画面サイズは2cm程度小さくなったので、狭くなったと感じますが、横方向は5cm以上広がり、2画面を横に並べるても多少余裕ができるようになりました。画面解像度は荒くなったのはわかりますが、従来よりも文字が太めに表示されて、逆に見やすくなりました(フォントの種類の影響もあるかもしれません)。



目視で同じぐらいのウィンドウ・フォントサイズにして表示


17型フルHD (1920x1080)の画面キャプチャ


15型QXGA (2048x1536)の画面キャプチャ


  • HDDの速度
     SSDに慣れてしまっているので、ハイブリッドHDDとはいえ、HDDには抵抗がありましたが、いまのところ、ハードディスクが原因で遅くなっているように感じることはありませんでした。
  • 静音性
     ファンあり、ディスクありマシンなので、多少、音がします。ハードディスク音は問題ないレベル、ファン音と光学ディスクの音は気になるレベルの音です。ファンは、全くのアイドル状態だとほとんど回りませんが、使っているとときどき唸ります。
  • 仮想マシンにUbuntuをインストール
     VirtualBoxの最新版(5.0.8)で仮想マシンを作って、その仮想マシンにUbuntu(15.10)をインストールしました。仮想マシンには、4CPU、メモリ4GB、可変ディスク256GB(現在は約60GB使用)を割り振りました。MATEデスクトップ環境、日本語入力にMozc(Google日本語入力のOSS版)、ブラウザにfirefoxとemacsやgnome-terminalなどいくつか使い慣れたツールを入れたぐらいで、今のところ不便なく使っています。native環境でのUbuntuとの比較はしていませんが、特に問題ないレスポンスで使えています。また、Windowsがスリープした場合でも、仮想マシン側に特に問題が生じていません(これはちょっとした驚き)。
  • その他
    • キーボード:Backspace・方向キーは小さくて、少し慣れが必要。まだ誤入力してばかりです。方向キーは、TouchPadの上あたりにあると、ホームポジションから動かないで済むので便利かも(emacsライクなキーのアサインなら問題ないのですけどねぇ...)。
    • TouchPadが使いにくい。そもそもTouchPadはほとんど使ったことはないので、使いこなせていないということもありますが、会社で使っているノートパソコンのTouchPadと比べて、より強く押し込まないとクリックにならないのも原因でしょうか。あまりにも使いにくいので、Logicoolの無線キーボードを使ってみたりもしています。



 いずれにせよ、マウスが使いやすいと思います。オマケで貰えるBluetoothマウス、早く届かないかなぁ...。マウスもマウスで、置き場所に困るのですけどね。

  • Windows10, Edgeブラウザ使いにくい。これも慣れの問題だと思いますが、Windowsはほとんど使わないので、いつまで経っても慣れないかも。
  • 詳しいレビューは、"the比較"の記事が参考になります。

所感
 高性能な仕様のパソコンが、思ったより安く購入できたので満足しています。

 コストパフォーマンスの良いパソコンは、これまではHP、DELL、最近はLenovoといったところで、日本勢のパソコンは高すぎて買えないと思っていたのですが、東芝が予想を裏切る頑張りを見せていました。もっと頑張ってもらいたいところですが、今後の東芝パソコンの行方はどうなるのでしょうね。

(2015/11/11)

(追記:2015/11/26) DVDで映画を見ましたが、液晶の視野角が狭いので、少し斜めになるだけで、映像が綺麗に見えなくなります。映像視聴を重視するなら、オススメできる機種ではありません。

関連記



FireTV Stick 到着、早速U-NEXTを使ったが、...。

 本日、Amazon FireTV Stickが無事到着しました。FireTV Stickでは、AmazonビデオとU-NEXT*1をメインで使うつもりです*2。U-NEXT利用を中心に簡単にFireTV Stickのレビューしたいと思います。

FireTV Stickがやっと到着

 10/27にAmazonから発送連絡のメールが届いたのですが、なぜか10/29の配達指定。10/28午前中には、近所のクロネコさんの配送センターに着いていたので、Webで受取日時を10/28夜に指定。ところがどっこい、クロネコさんから電話がかかってきて、「この荷物は厳重に配送指定日を守ってください、とAmazonから言われている」とか。仕方なしに、Amazon指定の本日10/29の受取となりました。10/28到着の人も多いようなので、何故でしょうね。一応、9/24の初日注文なのですけど。

接続・設定とアプリのインストール

 FireTVは、テレビのHDMI-CEC*3のポートに指す*4。いろいろレビューを見ると、電源はTVのUSBポートから取らない方がよいようです。これまでのAmazonデバイスと同様にアカウントは設定済みなので、設定らしいものは、wifiパスワードぐらい。詳細は、既にレビューされている方がいるので、参考にして頂ければと思います。アプリは、U-NEXTとGAYOをインストールしました。



FireTV用のアプリの例。(2017/1月現在)
Amazonビデオ、U-NEXT、YouTubeと、ときどきAirReceiver、AbemaTV、GYAO!を使っています。

付属リモコン・Braviaリモコン・リモコンアプリを比べる

 FireTV Stickは、HDMI-CECに対応しているデバイスです。テレビのHDMI-CEC対応のポートに挿すと、ブラビアのリモコンでも操作できます。また、Amazon FireTV Remoteというリモコンアプリがあり、音声認識リモコンとして使えます(AppStore・Google Play・Amazonアプリストアから入手可)。

        

  1. 付属リモコンとBraviaリモコンの比較
     Amazonビデオを利用している限りは、使い勝手はほとんど同じです。但し、Braviaリモコンには、致命的な問題があります。ホームボタンに対応するキーがアサインされていないのです*5。このため、U-NEXTアプリに一度入ってしまうと、FireTVのホーム画面に戻ることができません。
  2. リモコンアプリとの比較
    iPhone5sにリモコンアプリを入れました。基本的な機能は、音声認識リモコンに文字入力機能が付くといったところ。音声認識は問題ないレベルで使えそうです。但し、現状ではいろいろ問題があります。ざっくりあげると、
    • FireTVとiPhoneとの間の接続が頻繁に切れます。再接続に時間がかかったり、失敗したりすることが多く、ものすごく不便(これは、私のネットワーク環境の問題かもしれません)。
    • スワイプしないと、上下右左などの操作ができないので、使い勝手が悪い。
    • 音声認識は、U-NEXTの入力には使えない*6

 いずれのリモコンでも、動作がワンテンポ遅れ、サクサクとは動きません。また、付属リモコンは、Braviaリモコンでそれなりに代用できるので、御蔵入りとなりました。

U-NEXTアプリの問題点

  • U-NEXTアプリだと、Braviaリモコンでホームに戻れない。GYAOや他のアプリでは、「戻る」ボタンでホームに戻れます。
  • 動作が不安定。時々反応がなくなります。暫く待てば正常に動くこともあれば、FireTVホームに戻る場合もあります。まだ、1回だけですが、完全にフリーズし、強制的に電源切断をしたこともありました。
  • 再生時にときどき引っかかる。視聴に大きな影響はないですが、少しだけ気になります。(FireTV+Amazonビデオ、Bravia+U-NEXTでは問題ないので、FireTVのU-NEXTアプリが原因の可能性大)

U-NEXTを観るなら、Bravia?FireTV?

 FireTVもBraviaも一長一短。Braviaは2011年モデルなので、現行モデルだと違うかもしれませんが、

  • FireTV+U-NEXTの良いところ:
    • お勧めコンテンツが整理されている。
    • 2画面表示ができる。
    • 録画と併用できる。
  • FireTV+U-NEXTの悪いところ:
    • Braviaリモコンが使えない(ホームに戻れない)。
    • 動作が不安定。

 しばらくの間は、BraviaとFireTVの併用となりそうですが、どちらかに収斂していくと思います。

結論:U-NEXT端末としては、いまのところ微妙 ⇒ U-NEXT端末として便利に使えます(追記2参照)

 FireTVのU-NEXTアプリは、まだまだ完成度が低く改善の余地があります。今後に期待といったところでしょうか。
 FireTVはAmazonビデオ端末としては使えます。というか、そもそもそのための端末だし、Chromecast・AppleTVでAmazonビデオは観られないし。

ついでに、Chromecastとの比較 ⇒ Chromecastよりも便利です(追記2参照)

 Chromecastも持っていますが、

  • Chromecast+U-NEXTアプリ(iPhone)
  • FireTV+U-NEXTアプリ(FireTV)+FireTVリモコンアプリ(iPhone)

を比べると、Chromecastの方が使いやすいです。但し、Chromecastの場合、U-NEXTアプリがアクティブでないと、途中でChromecastの再生が止まってしまいます。このため、再生中は端末は使えないということになるので、端末を複数持っている人でないとイライラするかもしれません。

 ChromecastもFireTVも、U-NEXT視聴という意味では機能はほぼ同じなので、Chromecastは実家に持って行こう思います。

(2015/10/29)

関連記事


(追記1:2015/11/2)

 週末にもう少し使いこんでみました。Fireタブレットシリーズの画面をリモコン操作できるようにしたようなインタフェースで、Amazonコンテンツへのアクセスはかなり便利です。

 他に、これは便利!と思ったのが、Fireタブレット*7との連携機能。

  1. FireタブレットからAmazonビデオを再生すると、「FireTV Stickで再生」のボタンがついて、FireTVで再生することができます。
  2. AirPlayのような画面転送ではなく、ChromecastのようにFireTVで再生しますが、一旦、FireTVで再生が開始されれば、FireTV単独で再生・操作できるので、後はリモコンだけで操作できます。タブレットで検索してその場でFireTVで再生したり、一旦ウォッチリスト登録して後からFireTVで再生するという使い方が可能です。
  3. 逆にFireTV単独で起動しても、タブレット側にFireTVの簡易操作パネル(一時停止のみ)が表示されます。フルに操作したい場合は簡単に通常のAmazonビデオの再生画面に移ることもできます。


画面上端から下へのスワイプで簡易操作パネルが表示可能。



「FireTV Stickで再開」のボタンが現れるようになった。

 iPhoneやAndroidのAmazonビデオのアプリには連携機能はないので、リモコン代わりに一番安いFireタブレット(8,980円-プライム会員割引4,000円=4,980円)を買うというのもありかもしれませんね。

(追記2:2015/11/4)

 新しくなったスマホのU-NEXTアプリと連携させて使うと、FireTV+U-NEXTはなかなか便利です。現在、「FireTV+ブラビアリモコン+U-NEXTアプリ(FireTV)+U-NEXTアプリ(スマホ)+FireTVリモコンアプリ(スマホ)」で、こんな感じで使っています。

  1. スマホU-NEXTアプリで作品を検索し、「お気に入り」に登録。
  2. ブラビアリモコンを使って、FireTVのU-NEXTアプリで「お気に入り」から視聴。
  3. FireTVホームに戻りたい場合は、スマホリモコンアプリで戻る。

 この組み合わせだと、ブラビアU-NEXTやChromecast+スマホU-NEXTアプリよりも格段に使いやすい。

 また、U-NEXTアプリは、視聴した作品のスタッフ・キャストをベースに関連作品を観られます。FireTVやスマホAmazonビデオのアプリでは、スタッフ・キャストの関連作品を観る機能がありませんので、この点も便利。PC版Amazonビデオでは関連作品検索ができますが、U-NEXTに比べると貧弱です。U-NEXTの方が、Amazonよりも作品データベースがしっかり作ってあるためでしょう。Amazonビデオは、レコメンデーション機能(自動的にお勧め作品を紹介)が優秀ですね。

 Amazonプライムビデオのコンテンツもいい物を揃えてあるので、ぶらぶらと作品を見つけるときはAmazonビデオ、検索して観るときは、スマホでAmazonビデオ・U-NEXTで検索して視聴するというスタイルになっています。Amazonビデオの場合も、U-NEXTと同様に「お気に入り」(「ウォッチリスト」)経由で視聴できます。

*1:昨日、U-NEXTアプリのFireTV対応が発表されました。FireOS対応も早くやってもらえると嬉しいです。Twonky Beamをやめてしまったのはいいのですが、新しいU-NEXTアプリは、FireOSで使えないのです(涙)。

*2:Amazonビデオがあるので、Netflix, Huluは、使う予定なし。dTVは、U-NEXTの代替として可能性あるが、まだFireTVアプリがないので、暫くは様子見です。

*3:HDMI linkといったり、TVブランド名でブラビアリンク、ビエラリンクという場合もあります。まだ使っていませんが、ChromecastもHDMI-CECに対応したので、便利になっていると思います。

*4:私のブラビアでは、どのポートもHDMI-CECに対応しているはずなのですが、1番ポートのHDMI-ARC対応ポートでないと、ブラビアのリモコンがうまく動作しませんでした。ブラビアリモコンで操作しないのであれば、どのポートでも大丈夫です。

*5:ブラビアリモコンの"ホームボタン"は、付属リモコン・リモコンアプリの右下の「三」(オプションボタン?)にアサインされ、付属リモコンの"ホーム"に対応するボタンがブラビアリモコンにはないようです。リモコンは、RMF-JD009というソニーブラビアKDL-32EX72Sに付属のリモコンです。

*6:音声入力はAmazonビデオでは便利。Amazon側がインタフェースを開示していないのではないかと思いますが、他のアプリでも使えるようになるといいです。iPhoneのリモコンアプリであれば、キーボード入力にしてSiriで代用できます。但し、GYAOのようにアプリ側がキーボード入力に対応している場合で、U-NEXTでは出来ません。

*7:私の持っているのは、2012年と2014年のFireHD7。