虎之助の徒然記

Raspberry Pi3をデスクトップPCとして使ってみる (2) 利用編

 前回の記事では、基本的なセットアップまでを書きましたが、今回はデスクトップとして少し使ってみて気になったところを書きます。私がデスクトップPCとしてよく使うのは、(1) ブラウザ、(2) 文書編集(LibreOfficやGoogle Sheet、Latexなど)、(3) マルチウィンドウでターミナルを開いての作業です。Windows系だとAmazonビデオやU-Next、YouTunetなど動画視聴することはありますが、普段はタブレットやChromecast/FireTV stickを使うので、ラズパイで視聴することはないと思いますので、今回は見送ります。

(1) ブラウザ

Iceweasel(firefox)のインストール

 標準でインストールされているブラウザ・検索エンジンは、Epiphanyブラウザ + DuckDuckGoという検索エンジン。Ephipanyの検索エンジンの変更の仕方(*1)が直ぐに分からなかったので、chromiumやiceweasel(firefox)をインストールすることにする。

 chromiumは、apt-getでインストールできるはずですが、chromium-l10nパッケージが依存するchromiumパッケージに不整合があり、現状では標準レポジトリからのインストールはできません(*2)。

$ sudo apt-get install chromium-l10n
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています
状態情報を読み取っています... 完了
インストールすることができないパッケージがありました。おそらく、あり得
ない状況を要求したか、(不安定版ディストリビューションを使用しているの
であれば) 必要なパッケージがまだ作成されていなかったり Incoming から移
動されていないことが考えられます。
以下の情報がこの問題を解決するために役立つかもしれません:

以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
chromium-l10n : 依存: chromium (>= 50.0.2661.94-1~deb8u1) しかし、インストールすることができません
E: 問題を解決することができません。壊れた変更禁止パッケージがあります。

firefox(iceweasel)でも構わないので、chromiumは即座に諦め、iceweaselをインストールしました。

$ sudo apt-get install iceweasel-l10n-ja

 ラズパイのiceweaselでのgoogle検索では、なぜかモバイル版の結果が表示されてしまいます。user-agentを偽装することでPC版を表示できるようになります。今回は"User Agent Switcher"というFirefoxのaddonを使って変更しました。
https://addons.mozilla.org/en-us/firefox/addon/user-agent-switcher/
アドオンをインストールしiceweaselで、「メニューバー」→「ツール(T)」→「Default User Agent」を選択し、他のブラウザ(Internet Explorer8)に変更する。

*1: epiphanyの設定ファイルを編集することで、変更可能。
「Raspberry Piで学ぶ電子工作」補足情報: ブラウザepiphanyの検索エンジンを変更する
*2: 暫く待てば標準レポジトリからもchromiumをインストールできると思いますが、以下の方法でも可能。
Raspberry Pi 3 で Chronium browser を使う - MMAys's blog
Guide: Chromium 51 on Raspbian Jessie - Raspberry Pi Forums

使用感

 遅い!一言、これに尽きます。動作そのものは安定していますが、CPU性能不足なのか、メモリ不足なのか、動作が非常に遅いです。タブをいくつか開くと、すぐに700MB-800MBのメモリを消費します(ラズパイのメモリは1GB)。ちょっとの調べものに使う程度であれば許容の範囲ですが、普段使いの代替にはなりません(*3)。

*3: はてなブログの編集はもともとハイスペックなマシンを要求します。このブログを書くにあたっては、途中までラズパイだけで書いていましたが、耐えられず、リモートデスクトップで接続してラズパイの作業をし、ローカル端末のブラウザ(chrome)でブログを編集しました。リモートデスクトップの設定は後述します。

(2) 文書編集

ドキュメント・スプレッドシートの編集(LibreOffice, Googleアプリ)

 LibreOffice : LibreOffice(主にスプレッドシート)は標準でインストールされているので、あとは使うだけ。ヘビーな編集をするわけではないので、軽快とはいきませんが、十分に使える範囲です。

 Googleアプリ : GoogleドライブやGoogleドキュメント・Googleスプレッドシート等のGoogleアプリはラズパイのiceweaselをサポートしていないようで、アクセスしにいくと「Googleドライブを使用するにはブラウザをアップデートしてください」というようにヘルプページに飛ばされます。これには、user-agentをMicrosoft Edgeに偽装することで、回避することができました。前述のUser Agent Switcherを使いますが、デフォールトの設定ではMicrosoft Edgeはありませんので、以下の設定ファイルをダウンロードして利用しました。

 iceweaselで「メニュー」→「アドオン」→「拡張機能」→「設定」→「Import」からダウンロードしたXMLファイルを読み込むことで、「ツール(T)」からいろいろなuser-agentを設定できるようになります。ここで、Microsoft Edgeを選択すると、GoogleドライブやGoogleドキュメントなどGoogleアプリが使えるようになりました(IE8, IE10, IE11, Safariではうまく動作せず)。一応は使えるようになりましたが、Webブラウジングの場合と同様に非常に重く、残念ながら軽快に使えるというわけではありませんでした。

emacsによるテキスト編集

 テキストファイルの編集は、emacsを使っています。主にマシン設定や簡単なメモ書き、LaTex文書の作成に利用しています。インストールは、以下の通り。

$ sudo apt-get install emacs

 通常は、ターミナルで"emacs -nw"とNo Windowオプションをつけて起動しているので、問題なく軽快に使えています。ラズパイに限らず、GUIで使うよりも、ターミナルで使うほうが高速だし、Ctrl-zで中断してターミナルに戻れるので便利です。

Latexによる文書作成

 Latexとxdvi, evinceのインストールは、以下の通り。

$ sudo apt-get install texlive-doc-ja xdvik-ja # platex, pbibtex, xdvi, dvipdfなど
$ sudo apt-get install evince         # PDFビュアー

 インストールに1時間以上と非常に時間がかかりました(ダウンロードには時間がかかっていないので、原因は、SDカードでしょうかね...)。
 Latexをちょっと使ってみました。少々もたつきますが、実用レベルです。

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xdviとemacsを用いたLatex文書作成 (画面サイズは1600x1200です)

(3) ターミナルによる作業

 標準のターミナル(lxterminal)を使っています。複数のターミナルを使っても特に問題ないです。gnome-terminalがいつも使っているターミナルなので、インストールしてみました。

$ sudo apt-get install gnome-terminal

いまのところ、lxterminalでも、gnome-terminalでもどちらでも構わないという印象です。

(4) タスクバーの設定

 いろいろ弄っていたら、タスクバーのショートカットが消えてしまった(汗)。lightdmでは、アプリのアイコンをつまんで、タスクバーに貼り付けられないようなので、設定しなおしました。

  • タスクバーで右クリック。
  • 「パネルの設定」→「パネルアプレット」タブ→「アプリケーション・ランチャー」の「設定(P)」
  • 「アプリケーション・ランチャー」のウィンドウがでてくるので、アプリケーションを追加・削除する。

(5) リモートデスクトップによる接続

 Windowsから、ラズパイにリモートデスクトップで接続できるように設定しました。昔は、VNCサーバ(vnc4serverやtightvncserverなど)を立ち上げて接続していたこともあるのですが、Windows側には極力ソフトウェアはインストールしないようにしているので、最近はxrdpを使ってリモートデスクトップ接続で利用しています。

xrdpサーバを立ち上げる(on ラズパイ)

 ラズパイ側にリモートデスクトップサーバ(xrdp)をインストールする。

$ sudo apt-get install xrdp

 以下のページを参考に日本語キーボード用に設定する。
キー配列について - 日本 xrdp ユーザ会

$ cd /etc/xrdp
$ (cd /tmp; wget http://w.vmeta.jp/temp/km-0411.ini)
$ sudo cp /tmp/km-0411.ini .
$ sudo ln -s km-0411.ini km-e0200411.ini
$ sudo ln -s km-0411.ini km-e0010411.ini
$ sudo service xrdp restart

 現在は、wifi/dhcpでの接続なので、ifconfigでIPアドレスを調べる。

$ ifconfig
   :
wlan0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス b8:27:eb:59:3c:d1
inetアドレス:192.168.1.9 ブロードキャスト:192.168.1.255 マスク:255.255.255.0
inet6アドレス: 240d:1a:183:8300:5916:75db:5a2f:b386/64 範囲:グローバル
   :

 このアドレス(192.168.1.9)でWindowsの「リモートデスクトップ接続」で1920x1080で接続。43型4Kテレビへの表示なので、文字が小さすぎるというような問題はありません。4KノートPCだと、よっぽど目が良くないと、つらいでしょうね。


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4KモニタのWindows上で、1920x1080サイズでラズパイにリモートデスクトップ接続。右上のウィンドウがラズパイ(ラズパイ内でiceweaselを起動)、左側のウィンドウはWindows上のchrome。

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さらに、3840x2160サイズのリモートデスクトップを追加。背景部分が2つ目のリモートデスクトップですが、4Kサイズでラズパイ画面が表示できました。

(6) クライアントしての接続

 ラズパイをクライアント端末として使ってみました。手元にリモートデスクトップ接続できるマシンがなかったので、WindowsをVNCサーバにしてVNC接続することにしました。

VNCサーバの設定 (on Windows10)

 VNCサーバとしては、UltraVNC(1.2.1.0)をインストールしました。

 ダウンロード元: 「UltraVNC」PCリモート操作ソフト - 窓の杜ライブラリ

 UltraVNCのインストールのオプションは、デフォールトのままです。インストールできたら、「UltraVNC Server」を起動し、タスクバーに隠れているVNCサーバのアイコンから「Admin Properties 」→「UltraVNC Server Property Page」を開き、VNCパスワードを設定します。これで、VNCサーバ側の設定は終了です。


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Admin Propertiesを選択する。

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UltraVNC Server Propertyp PageからVNCパスワードを設定する。

VNCクライアントの設定 (on Raspberry Pi)

 ラズパイ側は、vncviewerをインストールしました。

$ sudo apt-get install xtightvncviewer
$ vncviewer

 vncviewerを起動するとポップアップ窓が開きますので、サーバのIPアドレス (あるいは、ホスト名)を入力、次にVNCパスワードを入力することで、VNCサーバに接続できます。いまのところ、ラズパイからWindowsへのVNC接続が非常に遅い、遅すぎです。Windowsからラズパイにリモートデスクトップ接続して、ラズパイからWindowsにVNC接続する(要するに画面が往復している)よりも遅かったので、ネットワークが不調(Windows側のネットワークはいまいち安定していない)、あるいは、設定が悪いのが原因ではないかと思います。もうすこし、調べないと評価できないですかね。ラズパイの性能からすると、特に問題ないレベルでシンクラ端末として使えると予想しています。

(追記:2016/5/21)
ネットワークが原因でした。ラズパイからWindowsへのVNC接続で多少レスポンスの悪さはありますが、使える範囲です。Windows側のYouTube再生で15frame/sec前後のスピードがでています 。ただし、現状では音声はでていません。Windowsからラズパイへのリモートデスクトップ接続でもYouTube再生ができました。但し、こちらは8frame/secぐらいの速度で遅いです。ラズパイ本体での再生は、ブラウザ内で再生する分には問題はありませんが、全画面表示ではまともに動きませんでした。


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ラズパイからWindowsにVNC接続

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(お遊び) Windowsからラズパイにリモートデスクトップ接続し、ラズパイからWindowsにVNC接続。左上の1920x1080のウィンドウがリモートデスクトップの画面で、その中に再帰的に画面が表示されます。表示の遅延があるので、ウィンドウを動かすと、徐々に反映されていくので、見てて面白いです。

おわりに

 現状のラズパイは、ブラウザが遅くて単独のデスクトップ端末としてはまだまだ実用的に使えるレベルにはないです。しかしながら、テキストベースの処理では少々遅く感じるものの実用的な使い勝手が得られます。まあ、20年前に30MHzのCPU, 32MBのメモリのUnixマシンで、お仕事でemacs/gccを使って開発、Latexで文章を作成していた頃と比べると、はるかに高性能なハードウェアなので、実用的で当たり前といえば当たり前ですが。

 個人的には、同じぐらいの価格帯(1万円程度)でLinuxデスクトップPCを構築するとすれば、Intel CPUの中華ミニパソコンにdebianやubuntuをインストールする方が実用的に使えるデスクトップマシンを構成することができると思います。1年ほど前に中華スティックPC(初代MeeGoPad: Intel Atom Baytrail Z3735, 2GBメモリ, 32GB-eMMC)にubuntuやdebianをインストールしましたが、現状のラズパイ以上の速度と実用性がありました。中華パソコンの場合、Linuxのインストール実績がある機種を選んでおかないと、苦労しますけど(実績あっても難儀した)。

 次回は、当初予定していたファイルサーバの構築について書こうと思います。

2016/5/14

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関連記事

Raspberry Pi3をデスクトップPCとして使ってみる (1) セットアップ編

 RaspberryPi3が発売されてしばらく経ちましたが、ファイルサーバに使っていた初代Raspberry Piのリプレースのつもりで、pi3を購入しました。初代よりも速度性能が10倍以上あるということなので、今回はデスクトップ環境でインストールしてみました。

購入したもの

 Amazonの売れ筋品からケース付きラズパイ本体(6,980円)、ヒートシンク(850円、本体とセット購入で750円引き)、推奨の5V*2.5A(=12.5W)に近い5.2V*2.4A(=12.48W)のUSB電源(900円)、64GBのmicroSDXCカード(2,180円)、HDMIケーブル(432円@ダイソー)、microUSBケーブル(108円@ダイソー)を購入。計10,700円。それ以外のキーボード、モニタ等は、在り合わせのものを利用しました。

Raspberry Pi Model Pi2 / Pi3 用 ヒートシンクセット

Raspberry Pi Model Pi2 / Pi3 用 ヒートシンクセット

RoiCiel USB電源アダプタ 12W

RoiCiel USB電源アダプタ 12W

(追記:2019/2/20) ラズパイ関連の機器を楽天ROOMにまとめました(ここ)。現在は、Raspberry Pi3 B+のスターターキットを利用するのがよいでしょう(→amazon)



セットアップ

以下のサイトを参考に、Raspbian Jessieをインストールしました。

1. デスクトップ用のイメージをダウンロード
 https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/
 ダウンロードしたファイル:2016-03-18-raspbian-jessie.zip(1.3GB)

2. microSDカードにイメージを書き込む
 作業はdebianパソコンで行いました。microSDをUSBタイプのカードリーダに入れて、書き込み(今回の環境では、デバイス名は/dev/sdb。パソコン直付けのSDカードリーダだと、/dev/mmcblk0といったデバイス名になることが多いです)。

$ unzip 2016-03-18-raspbian-jessie.zip
$ sudo dd if=2016-03-18-raspbian-jessie.img of=/dev/sdb bs=1m

3. 配線と起動
 SDカードができたら、モニタ・キーボード・電源を配線。電源アダプをコンセントに挿すと、自動的に起動します。
 サーバで24時間運用なら電源スイッチはなくても構わないけど、使う時だけ電源オンにしたいときには、電源ボタンが欲しいところですね。

4. GUIでラズパイの基本セットアップ
raspberry pi configurationを起動してGUIベースで設定する。
4.1 raspberry pi configurationの起動
 「Menu」→「Preference」→「Raspberry Pi Configuration」で起動する。
4.2「system」の設定
 a) "Expand Filesystem"をクリック(なぜか既に拡張済みで64GB全体が認識されていました)
 b) "Hostname"の設定
 c) "Auto login"をここでオフにしようとしたけれど、うまく動作せず(後で設定方法を説明します)。
4.3 「Localisation」の設定
 a) "Set Locale" : "Language"を"ja(Japanese)"に設定 (自動的に"Country"がJP(Japan), "Character Set"がUTF-8に設定される)
 b) "Set Timezone" : "Area"を"Japan"に設定(自動的に"Area"がAsia, "Location"がTokyoに設定される)
 c) "Keytboard": "Japanese"に設定
 d) "WiFi Country": "JP Japan"に設定(国設定の意味は不明。設定しなくても特に問題なく動作する)

5. wifiの設定
 タスクバーのネットワークアイコンをクリックして、アクセスポイントを選択し、セキュリティキーを入力。これでネットワークが確立する。

6. 日本語環境のセットアップ
6.1 vlgothicフォントとibus-mozc(Google日本語入力)を設定する。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install fonts-vlgothic
$ sudo apt-get install ibus-mozc

sudo でパスワードを要求されたら、アカウント"pi"のパスワード"raspberry"を入力。
6.2 再起動

$ sudo reboot

これで、mozcが使えるようになったけど、もし起動しないようだったら、
 「Menu」→「設定」→「入力メソッド」の「追加」から、Mozcを選択する。
6.3 タスクバーの「US」アイコンをクリックして、「日本語-Mozc」を選択する。
6.4 プロパティーパネルを表示する(「Menu」→「設定」→「IBusの設定」から「自動的に隠す」に設定)。

7. ラズパイ全体を最新版にアップデートして、再起動。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade
$ sudo reboot

アカウントの設定

初期設定のユーザアカウント"pi"で使い続けるのは気持ち悪いので、新規にアカウントを作成しました。

1. rootパスワードの設定とユーザの追加
rootとpiのパスワードを設定・変更し、新規ユーザ(tora)をsudo権限で追加する。

$ sudo passwd pi        # pi のパスワードを変更する。
$ sudo passwd root       # rootのパスワードを設定する。
$ sudo adduser tora      # 新規ユーザtoraを作成する。
$ sudo gpasswd -a tora sudo  # toraをsudoグループに追加する。
$ sudo sudoedit /etc/sudoers  # piのパスワードなしの実行権限をなくす。
 #pi ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL # 最後の行をコメントアウト。

注意:/etc/sudoersを編集する前に、rootのパスワードを設定しておくことを強くお勧めします。/etc/sudoersの編集がおかしいと、sudoでroot権限での実行ができなくなり、復旧に苦労します。

2. 自動ログインの変更
自動ログインがpiアカウントに設定されているので、/etc/lightdm/lightdm.confを編集して変更します。

$ sudo nano /etc/lightdm/lightdm.conf
117行目に"autologin-user=pi"という行があるので、自動ログインするならユーザ名をtoraに変更、しないならコメントアウト。

CapsLockキーとControlキーを入れ替える

/etc/default/keyboardを編集して、XKBOPTIONS="ctrl:swapcaps"を設定する。

$ sudo nano /etc/default/keyboard

再起動後、有効になります。

XKBの設定ルールは、/usr/share/X11/xkb/rules/xorg.lstに書いてあります。例えば、

ctrl:nocaps Caps Lock as Ctrl

XKBOPTIONS="ctrl:nocaps"とすれば、CapsLockキーがCtrlキーとして動作するようになります。

おわりに

これで、基本的な設定は、終了です。GUIベースで設定できるようになったところも多いので、比較的簡単に設定することができました。分からないことがあれば、すぐに情報が得られるところが、ラズパイのいいところですね。

次回は、デスクトップ環境で使っていて、気になったところを記事にしたいと思います。

2016/5/8

次の記事

テレビが壊れても、インタネットだけで結構なんとかなる

 最近、テレビの調子が悪い。B-CASカード周りの不具合だと思いますが、テレビ側が悪いのか、B-CASカード側が悪いのか、問題を特定するのが面倒で放置しています。

 娯楽系はU-NEXTやAmazonビデオでドラマ・映画などを観ることが多いので、それほど困らないのですが、ニュースはやはり見たいです。

「動画deニュース連続再生!」が秀逸

 調べてみると、「動画deニュース連続再生!これでもうテレビ要らず!」というニュースアプリがありました。これがなかなか秀逸。

 チャンネルリストにいろいろありますが、ANN news(テレビ朝日)、FNN news(フジテレビ)、TBS news-i (TBS)を設定しています。途中切り替えの間がありますが、連続再生なので、テレビのようにみることができて、便利です。「新着動画」で1時間ぐらいのコンテンツ(ほとんどがANN)がありますので、主なニュースは網羅されているのではないかと思います。

 英語ニュースが中心になりますが、NHKが国際放送NHK WORLD TVをライブでインタネット配信しています。パソコン, iPhone, iPad, Android, FireOS, FireTVのアプリがあるので、大抵のプラットフォームで見られると思います。


NHK WORLD TV

NHK WORLD TV

  • NHK (Japan Broadcasting Corporation)
  • ニュース
  • 無料

その他、試してみたニュースアプリ

  • ABC News Breaking US & World news (ABC digital / iPhone, iPad)
     iPhone,iPadともにライブ放送も見ることができます。
    Breaking US & World News + Live Video

    Breaking US & World News + Live Video

    • ABC Digital
    • ニュース
    • 無料
  • ABC news 7 (Calkins Media Incorporated / FireTV)
     ABC digitalによる由緒正しいアプリでないためか、対応チャネルが違うためか、ライブ放送の内容が,iPhone,iPadと異なります。
  • BBC news (BBC Worldwide Limited / iPhone,iPad,FireTV)
     FireTVは、コンテンツを連続再生、ライブには対応していません。iPhone,iPadでは、メニューからすぐにアクセスできる"LIVE"は音声のみの放送。メニューを探っていくと、キャメロン首相の国会答弁のサムネイルがでてきました。iPhone,iPadでは"LIVE"マークがついているコンテンツなので、おそらくライブ放送です。FireTVでも、キャメロン首相のサムネイルも出てくるのですが、文字コンテンツのみで映像はでてきません。iPhone,iPadでのコンテンツ連続再生の仕方は良くわからず。
    BBC News

    BBC News

    • BBC Worldwide
    • ニュース
    • 無料
  • Fox News (Fox News Channel / iPhone,iPad,FireTV)
     iPad, FireTVともにコンテンツを連続再生できます。iPhoneはなぜか連続再生してくれません。FireTVのコンテンツは、iPhone, iPad版のUS向けサブセットのようです。iPhone, iPadではライブ放送もありますがログインが必要で、たぶん有料。FireTVではライブはなし。
    Fox News

    Fox News

    • FOX News Digital
    • ニュース
    • 無料
  • WSJ Live (Dows Jones / iPhone,iPad, FireTV)
     コンテンツの連続再生のみで、ライブ放送なし。FireTVでは連続再生できません。
    WSJ Live

    WSJ Live

    • Dow Jones & Company, Inc., publisher of The Wall Street Journal.
    • ニュース
    • 無料

 どれも、CMはないので、どうやって費用回収しているのでしょうか...。

 FireTVの場合、時々、再生が止まったり*1、画質が悪くなることがありますが、テレビで見られて、テレビリモコンでコントロールできるので、便利です。

 いろいろ試してみましたが、結局、「動画deニュース」(iPad)と「NHK WORLD TV」(FireTV, FireHD7)でニュースはほぼ済ませています。インターネットだけで結構なんとかなってしまいますね。

そうは言っても、やはりテレビを修理しなければいけないよなぁ。B-CASカードが悪いだけなら、再発行してもらえばよいだけだろうけど、本体の不具合だったら、どうしよう...。

Fire TV Stick

Fire TV Stick

Amazon Fire TV

Amazon Fire TV

2015/11/14

*1:使っているのが、FireTV Stickなので、メモリが1GBと小さいことが原因と疑っています。2GBメモリのFireTVなら問題ないのかもしれません。

いろいろ悩んで17型ノートdynabook AZ77を購入した

 10年ぶりのメインのノートパソコンの買い替えで、東芝製の17型ノートパソコンdynabook AZ77を購入しました。

http://toshibadirect.jp/pc1/catalog/az87-az77-2015-fallwinter-paz87t-paz77t/img/img_az77-2015-fallwinter-paz77t_main.jpg

ここでは、新規購入したノートパソコンの選定について記事にしてみました。

10年ぶりのパソコン買い換え
 10年ぶりの買い替えです。これまでに使っていたノートパソコンは、2005年に購入のNEC製の15型ノートパソコン。いままで買い換えなかった理由は、このパソコンよりも上のスペックのパソコンがないからです。それは、15インチQXGA(2,048x1,536)というハイスペック液晶の仕様。当時としては、唯一の個人向けQXGAパソコンでした。今でも、4:3画面のノートパソコンとしては、最強スペックです(ワイド画面を含めても15型4Kでは縦方向が小さすぎるので、比較対象となるのは17型4K)。

 当初はWindowsXPでしたが、何年か前にHDDをSSDに換装・Linuxをインストールして延命させていました。ホームユースは、基本的にブラウジングと簡単な文書作成(LibreOffice)とちょっとした操作(ラズパイのメンテなど)をするだけだったので、これでも十分でした。しかし、最近、ブログを書くようになってから、重さに耐えられなくなり、買い替えを決意するに至りました(笑)。

ハイスペックな要求仕様
 スペックダウンしたくはないので、希望はかなりハイスペック。

  1. ディスプレイ
    • 画像解像度: 15型QXGA(2048x1536)であったので、フルHD(1920x1080)は明らかにスペックダウン。できれば、4K液晶(3840x2160)クラスがほしい。4Kテレビも安くなったので、4K出力もあるといい。
    • 画面サイズ: 15型フルHD液晶は縦方向が短いので、できれば17型以上。17型でも、4:3画面の15型に比べると、高さ方向は小さいのですよね。
  2. メモリ: 仮想マシンを動作させることで、dual OSにするつもりなので、できれば16GB以上。
  3. CPU; 仮想マシンを考えると、できれば4コア・8スレッド以上。最新、CPUでなくても構わない。
  4. ハードディスク: 256GB以上のSSD。
  5. 光学ディスク: ブルーレイ対応。
  6. 価格: 20万円以下
  7. OS; できれば、Windows10。マイクロソフトOfficeは不要。
  8. メーカー:大手ベンダ

 条件をほぼ満たすパソコンは、DELLの17型4Kの最強ノートパソコン。388,778円。でも、予算的に無理。

価格コムでいろいろ検索して候補を絞った
 適当に条件を緩めて、価格コムで検索してみました。

 価格差3万円以内なので、ここからは自分の使い方をもう少し良く考えて選定しました。

  1. 本当に4Kが必要か?
     最近目が悪くなったため、15型QXGAでもオーバースペック気味なので、15型ならフルHDで十分かと思っています。17型4Kは選択肢としてないので、画面解像度はフルHDに決定。
  2. 15型?17型?
     基本的に大きい方がよく、価格差も小さいので、17型に決定。

 すると、残るは東芝dynabookからの選択となります。dynabook AZ67, AZ77, AZ87の主な違いを表にまとめます。

型番 AZ67 AZ77 AZ87
CPU Core i7 6500U
(Skylake)
2.5GHz, 2コア
Core i7 4720HQ
(Haswell Refresh)
2.6GHz, 4コア
メモリ 8GB 16GB
グラフィックスGeForce 930M
+ Intel HD Graphics 520
Intel HD Graphics 4600 AMD Radeon R9 M365X
外部出力フルHD4K
光学ドライブ DVD ブルーレイ
価格119,720円127,280円135,380円
 AZ67からAZ77への変更で、2コアから4コア、メモリ8GB から16GB、外部4K出力可能、DVDからブルーレイとなるので、CPU世代が多少古くても、8千円ほどの価格差なら、AZ77。AZ87とAZ77は、グラフィックスチップのRadeonへの変更だけなので、8千円余計に払う必要はないということで、やはりAZ77。
 最終的に、dynabook AZ77の価格コムモデルを購入することにしました。東芝会員(ROOM1048会員)に登録すると、ほんの少しだけ割引があります。価格コムモデルを購入せず、純正モデル(何が違うのか不明)を購入する場合には、東芝会員になることをお勧めします。会員価格は非公開でしょうから、ここでも伏せておきます。
 あまり考えず、価格コムモデルを買ってしまいましたが、この記事を書くのにあたって、調べ直してみると、もうちょっと安いところがありました。個人情報との引き換えもないので、そちらの方から買えばよかったかと少々後悔。

実際に使ってみた感想

  • 画面について
     15型は店頭でみて大きく感じたので、17型はもっと大きいのかなぁと思ったのですが、10年前の15型QXGAノートと並べると大きさを感じません。15型QXGAノートと比較すると、縦方向の画面サイズは2cm程度小さくなったので、狭くなったと感じますが、横方向は5cm以上広がり、2画面を横に並べるても多少余裕ができるようになりました。画面解像度は荒くなったのはわかりますが、従来よりも文字が太めに表示されて、逆に見やすくなりました(フォントの種類の影響もあるかもしれません)。



目視で同じぐらいのウィンドウ・フォントサイズにして表示


17型フルHD (1920x1080)の画面キャプチャ


15型QXGA (2048x1536)の画面キャプチャ


  • HDDの速度
     SSDに慣れてしまっているので、ハイブリッドHDDとはいえ、HDDには抵抗がありましたが、いまのところ、ハードディスクが原因で遅くなっているように感じることはありませんでした。
  • 静音性
     ファンあり、ディスクありマシンなので、多少、音がします。ハードディスク音は問題ないレベル、ファン音と光学ディスクの音は気になるレベルの音です。ファンは、全くのアイドル状態だとほとんど回りませんが、使っているとときどき唸ります。
  • 仮想マシンにUbuntuをインストール
     VirtualBoxの最新版(5.0.8)で仮想マシンを作って、その仮想マシンにUbuntu(15.10)をインストールしました。仮想マシンには、4CPU、メモリ4GB、可変ディスク256GB(現在は約60GB使用)を割り振りました。MATEデスクトップ環境、日本語入力にMozc(Google日本語入力のOSS版)、ブラウザにfirefoxとemacsやgnome-terminalなどいくつか使い慣れたツールを入れたぐらいで、今のところ不便なく使っています。native環境でのUbuntuとの比較はしていませんが、特に問題ないレスポンスで使えています。また、Windowsがスリープした場合でも、仮想マシン側に特に問題が生じていません(これはちょっとした驚き)。
  • その他
    • キーボード:Backspace・方向キーは小さくて、少し慣れが必要。まだ誤入力してばかりです。方向キーは、TouchPadの上あたりにあると、ホームポジションから動かないで済むので便利かも(emacsライクなキーのアサインなら問題ないのですけどねぇ...)。
    • TouchPadが使いにくい。そもそもTouchPadはほとんど使ったことはないので、使いこなせていないということもありますが、会社で使っているノートパソコンのTouchPadと比べて、より強く押し込まないとクリックにならないのも原因でしょうか。あまりにも使いにくいので、Logicoolの無線キーボードを使ってみたりもしています。



 いずれにせよ、マウスが使いやすいと思います。オマケで貰えるBluetoothマウス、早く届かないかなぁ...。マウスもマウスで、置き場所に困るのですけどね。

  • Windows10, Edgeブラウザ使いにくい。これも慣れの問題だと思いますが、Windowsはほとんど使わないので、いつまで経っても慣れないかも。
  • 詳しいレビューは、"the比較"の記事が参考になります。

所感
 高性能な仕様のパソコンが、思ったより安く購入できたので満足しています。

 コストパフォーマンスの良いパソコンは、これまではHP、DELL、最近はLenovoといったところで、日本勢のパソコンは高すぎて買えないと思っていたのですが、東芝が予想を裏切る頑張りを見せていました。もっと頑張ってもらいたいところですが、今後の東芝パソコンの行方はどうなるのでしょうね。

(2015/11/11)

(追記:2015/11/26) DVDで映画を見ましたが、液晶の視野角が狭いので、少し斜めになるだけで、映像が綺麗に見えなくなります。映像視聴を重視するなら、オススメできる機種ではありません。

関連記



FireTV Stick 到着、早速U-NEXTを使ったが、...。

 本日、Amazon FireTV Stickが無事到着しました。FireTV Stickでは、AmazonビデオとU-NEXT*1をメインで使うつもりです*2。U-NEXT利用を中心に簡単にFireTV Stickのレビューしたいと思います。

FireTV Stickがやっと到着

 10/27にAmazonから発送連絡のメールが届いたのですが、なぜか10/29の配達指定。10/28午前中には、近所のクロネコさんの配送センターに着いていたので、Webで受取日時を10/28夜に指定。ところがどっこい、クロネコさんから電話がかかってきて、「この荷物は厳重に配送指定日を守ってください、とAmazonから言われている」とか。仕方なしに、Amazon指定の本日10/29の受取となりました。10/28到着の人も多いようなので、何故でしょうね。一応、9/24の初日注文なのですけど。

接続・設定とアプリのインストール

 FireTVは、テレビのHDMI-CEC*3のポートに指す*4。いろいろレビューを見ると、電源はTVのUSBポートから取らない方がよいようです。これまでのAmazonデバイスと同様にアカウントは設定済みなので、設定らしいものは、wifiパスワードぐらい。詳細は、既にレビューされている方がいるので、参考にして頂ければと思います。アプリは、U-NEXTとGAYOをインストールしました。



FireTV用のアプリの例。(2017/1月現在)
Amazonビデオ、U-NEXT、YouTubeと、ときどきAirReceiver、AbemaTV、GYAO!を使っています。

付属リモコン・Braviaリモコン・リモコンアプリを比べる

 FireTV Stickは、HDMI-CECに対応しているデバイスです。テレビのHDMI-CEC対応のポートに挿すと、ブラビアのリモコンでも操作できます。また、Amazon FireTV Remoteというリモコンアプリがあり、音声認識リモコンとして使えます(AppStore・Google Play・Amazonアプリストアから入手可)。

        

  1. 付属リモコンとBraviaリモコンの比較
     Amazonビデオを利用している限りは、使い勝手はほとんど同じです。但し、Braviaリモコンには、致命的な問題があります。ホームボタンに対応するキーがアサインされていないのです*5。このため、U-NEXTアプリに一度入ってしまうと、FireTVのホーム画面に戻ることができません。
  2. リモコンアプリとの比較
    iPhone5sにリモコンアプリを入れました。基本的な機能は、音声認識リモコンに文字入力機能が付くといったところ。音声認識は問題ないレベルで使えそうです。但し、現状ではいろいろ問題があります。ざっくりあげると、
    • FireTVとiPhoneとの間の接続が頻繁に切れます。再接続に時間がかかったり、失敗したりすることが多く、ものすごく不便(これは、私のネットワーク環境の問題かもしれません)。
    • スワイプしないと、上下右左などの操作ができないので、使い勝手が悪い。
    • 音声認識は、U-NEXTの入力には使えない*6

 いずれのリモコンでも、動作がワンテンポ遅れ、サクサクとは動きません。また、付属リモコンは、Braviaリモコンでそれなりに代用できるので、御蔵入りとなりました。

U-NEXTアプリの問題点

  • U-NEXTアプリだと、Braviaリモコンでホームに戻れない。GYAOや他のアプリでは、「戻る」ボタンでホームに戻れます。
  • 動作が不安定。時々反応がなくなります。暫く待てば正常に動くこともあれば、FireTVホームに戻る場合もあります。まだ、1回だけですが、完全にフリーズし、強制的に電源切断をしたこともありました。
  • 再生時にときどき引っかかる。視聴に大きな影響はないですが、少しだけ気になります。(FireTV+Amazonビデオ、Bravia+U-NEXTでは問題ないので、FireTVのU-NEXTアプリが原因の可能性大)

U-NEXTを観るなら、Bravia?FireTV?

 FireTVもBraviaも一長一短。Braviaは2011年モデルなので、現行モデルだと違うかもしれませんが、

  • FireTV+U-NEXTの良いところ:
    • お勧めコンテンツが整理されている。
    • 2画面表示ができる。
    • 録画と併用できる。
  • FireTV+U-NEXTの悪いところ:
    • Braviaリモコンが使えない(ホームに戻れない)。
    • 動作が不安定。

 しばらくの間は、BraviaとFireTVの併用となりそうですが、どちらかに収斂していくと思います。

結論:U-NEXT端末としては、いまのところ微妙 ⇒ U-NEXT端末として便利に使えます(追記2参照)

 FireTVのU-NEXTアプリは、まだまだ完成度が低く改善の余地があります。今後に期待といったところでしょうか。
 FireTVはAmazonビデオ端末としては使えます。というか、そもそもそのための端末だし、Chromecast・AppleTVでAmazonビデオは観られないし。

ついでに、Chromecastとの比較 ⇒ Chromecastよりも便利です(追記2参照)

 Chromecastも持っていますが、

  • Chromecast+U-NEXTアプリ(iPhone)
  • FireTV+U-NEXTアプリ(FireTV)+FireTVリモコンアプリ(iPhone)

を比べると、Chromecastの方が使いやすいです。但し、Chromecastの場合、U-NEXTアプリがアクティブでないと、途中でChromecastの再生が止まってしまいます。このため、再生中は端末は使えないということになるので、端末を複数持っている人でないとイライラするかもしれません。

 ChromecastもFireTVも、U-NEXT視聴という意味では機能はほぼ同じなので、Chromecastは実家に持って行こう思います。

(2015/10/29)

関連記事


(追記1:2015/11/2)

 週末にもう少し使いこんでみました。Fireタブレットシリーズの画面をリモコン操作できるようにしたようなインタフェースで、Amazonコンテンツへのアクセスはかなり便利です。

 他に、これは便利!と思ったのが、Fireタブレット*7との連携機能。

  1. FireタブレットからAmazonビデオを再生すると、「FireTV Stickで再生」のボタンがついて、FireTVで再生することができます。
  2. AirPlayのような画面転送ではなく、ChromecastのようにFireTVで再生しますが、一旦、FireTVで再生が開始されれば、FireTV単独で再生・操作できるので、後はリモコンだけで操作できます。タブレットで検索してその場でFireTVで再生したり、一旦ウォッチリスト登録して後からFireTVで再生するという使い方が可能です。
  3. 逆にFireTV単独で起動しても、タブレット側にFireTVの簡易操作パネル(一時停止のみ)が表示されます。フルに操作したい場合は簡単に通常のAmazonビデオの再生画面に移ることもできます。


画面上端から下へのスワイプで簡易操作パネルが表示可能。



「FireTV Stickで再開」のボタンが現れるようになった。

 iPhoneやAndroidのAmazonビデオのアプリには連携機能はないので、リモコン代わりに一番安いFireタブレット(8,980円-プライム会員割引4,000円=4,980円)を買うというのもありかもしれませんね。

(追記2:2015/11/4)

 新しくなったスマホのU-NEXTアプリと連携させて使うと、FireTV+U-NEXTはなかなか便利です。現在、「FireTV+ブラビアリモコン+U-NEXTアプリ(FireTV)+U-NEXTアプリ(スマホ)+FireTVリモコンアプリ(スマホ)」で、こんな感じで使っています。

  1. スマホU-NEXTアプリで作品を検索し、「お気に入り」に登録。
  2. ブラビアリモコンを使って、FireTVのU-NEXTアプリで「お気に入り」から視聴。
  3. FireTVホームに戻りたい場合は、スマホリモコンアプリで戻る。

 この組み合わせだと、ブラビアU-NEXTやChromecast+スマホU-NEXTアプリよりも格段に使いやすい。

 また、U-NEXTアプリは、視聴した作品のスタッフ・キャストをベースに関連作品を観られます。FireTVやスマホAmazonビデオのアプリでは、スタッフ・キャストの関連作品を観る機能がありませんので、この点も便利。PC版Amazonビデオでは関連作品検索ができますが、U-NEXTに比べると貧弱です。U-NEXTの方が、Amazonよりも作品データベースがしっかり作ってあるためでしょう。Amazonビデオは、レコメンデーション機能(自動的にお勧め作品を紹介)が優秀ですね。

 Amazonプライムビデオのコンテンツもいい物を揃えてあるので、ぶらぶらと作品を見つけるときはAmazonビデオ、検索して観るときは、スマホでAmazonビデオ・U-NEXTで検索して視聴するというスタイルになっています。Amazonビデオの場合も、U-NEXTと同様に「お気に入り」(「ウォッチリスト」)経由で視聴できます。

*1:昨日、U-NEXTアプリのFireTV対応が発表されました。FireOS対応も早くやってもらえると嬉しいです。Twonky Beamをやめてしまったのはいいのですが、新しいU-NEXTアプリは、FireOSで使えないのです(涙)。

*2:Amazonビデオがあるので、Netflix, Huluは、使う予定なし。dTVは、U-NEXTの代替として可能性あるが、まだFireTVアプリがないので、暫くは様子見です。

*3:HDMI linkといったり、TVブランド名でブラビアリンク、ビエラリンクという場合もあります。まだ使っていませんが、ChromecastもHDMI-CECに対応したので、便利になっていると思います。

*4:私のブラビアでは、どのポートもHDMI-CECに対応しているはずなのですが、1番ポートのHDMI-ARC対応ポートでないと、ブラビアのリモコンがうまく動作しませんでした。ブラビアリモコンで操作しないのであれば、どのポートでも大丈夫です。

*5:ブラビアリモコンの"ホームボタン"は、付属リモコン・リモコンアプリの右下の「三」(オプションボタン?)にアサインされ、付属リモコンの"ホーム"に対応するボタンがブラビアリモコンにはないようです。リモコンは、RMF-JD009というソニーブラビアKDL-32EX72Sに付属のリモコンです。

*6:音声入力はAmazonビデオでは便利。Amazon側がインタフェースを開示していないのではないかと思いますが、他のアプリでも使えるようになるといいです。iPhoneのリモコンアプリであれば、キーボード入力にしてSiriで代用できます。但し、GYAOのようにアプリ側がキーボード入力に対応している場合で、U-NEXTでは出来ません。

*7:私の持っているのは、2012年と2014年のFireHD7。

Amazonアソシエイト、自己購入を回避する方法

 Amazonアソシエイト・プログラムでは、自分が貼ったリンクを使って自己購入することを禁止していることは、以前の記事で書きました。


 自己リンクを踏んだときに、何もしないと自己リンクのセッションが24時間続きます。このセッションが無効になってから、Amazonで購入しないと自己購入になって、Amazonアソシエイトの運営規約に違反してしまいます。この自己セッションを切れば、自己購入を回避できます。

 セッションが無効になるのは、次の場合です。

  1. 24時間経過したとき。
  2. cookieを削除したとき。
  3. 他の人のリンクを踏んだとき。

 カスタマーサービスに問い合せると、(1)と(2)の方法は教えてもらえますが、(3)の方法は教えてもらえません。(1)、(2)の方法は、アフィリエイト報酬は支払わなくてよいが、(3)の方法はアフィリエイト報酬を(他の人に)支払わなければならないので、教えてもらえないというのは当然と言えば当然です。

(1)、(2)は、難しい・面倒・確実でない・使い勝手が悪いので、私は(3)の方法を取ろうと思います。

 但し、この方法には、注意しなければならない点があります。
(1)「他の人」は、全く赤の他人であること(運営規約の「関係者」でないこと)。
(2)「他の人」は、私に「買ってね」と言わないこと(運営規約の「購入することを依頼したり奨励しないこと」)
(3) 特定の人からの購入が多発すると、アマゾンが「私」は「他の人」の「関係者」であり、「他の人」に契約違反があると誤認し、迷惑をかける可能性があること。

 このため、以下の方針で運用しようと思っています。
(1)への対策: 全く関係のない「他の人」を選ぶこと。
(2)への対策: 「他の人」とは一切連絡を取らないこと。
(3)への対策: 「他の人」をいろいろ変更すること。

多少面倒なところがありますが、当面これで自己アフィリを回避しようと思っています。


晴れになれ、アソシエイトの行方とすすき梅雨


2015/10/8

(追記:2015/10/24) 本記事は、ブログ再編に伴い、toranosuke-blog.hatenablog.comから、移動しました。

Amazonアソシエイト、初販売は自己購入orz - 運営規約を解読する -

 最近、Amazonアソシエイトになったのですが、早速、売れた!と思ったら、自己購入でした(汗)。

 自分のブログをウォッチリスト代わりにしていると、直ぐに自己購入になってしまいますね。アソシエイトのトラッキングIDは、アマゾンIDに紐付けられているので紹介料は貰えないはずですが、自己購入ばかり多いと直ぐにブラックリスト入りしてしまうかも。運営規約では自己購入を禁止しているので、契約解除されるかもしれません。ウォッチリスト運用をやめるか、アマゾンでの購入をやめるか、自己購入にならないように気をつけてアマゾンでの購入を続けるか、アカウント閉鎖覚悟で自己購入をするか、の選択肢となりそうです。少額なアソシエイト収入のために、ウォッチリスト運用をやめるのも面倒なので、ちょっと悩ましいです。

1. Amazonアソシエイトの運用規約を読む

 さて、以下では、自己購入と契約解除あたりの話を、「運用規約」をベースに検討したいと思います。但し、虎之助は法律の専門家ではない一般人なので、そのつもり読んで頂けると幸いです。

 本記事の内容には、誤りやAmazonの解釈と異なる解釈が含まれている可能性があります。本記事の記載により、読者にいかなる不利益・損害等が生じたとしても、虎之助の徒然記及び筆者(以下、"本ブログ")には一切の責任がなく、本ブログに対する損害賠償請求・批判等、本ブログに対するあらゆる不利益行為を行わないことを同意した場合に限り、下記の記載をお読みください。これに同意しない場合は、以下の記載は読まないでください(所謂、「免責条項」を書いてみた)。

2. Amazonアソシエイト・プログラム運営規約

 まず、自己購入と契約解除に関連する運営規約は、以下からアクセスできます。

Amazon アソシエイト(アフィリエイト)

以下の記事は、「Amazonアソシエイト・プログラム運営規約 発効日: 2014/5/15」に基づいています。

2.1 プログラム要件

4. プログラム要件

本プログラムへの参加により、乙は、アソシエイト・プログラム参加要件、ならびに本規約において言及される一切のページ、別表、ポリシー、ガイドラインおよびその他の文書・資料(総称して「運営文書」)を遵守することに同意されたものとします。本規約という場合は、運営文書を含むものとします。

乙は、乙による本規約の遵守を確認するために甲が要求する一切の情報を甲に提供するものとします。甲は甲にとって可能な他の権利または救済に加えて、乙、または乙と関連がある、もしくは乙と共同で行為すると甲が判断するその他の者が、甲の判断により(既存のアソシエイト・アカウントまたはすでに解除されたアソシエイト・アカウントに関するものであるかを問わず)以下の項目のいずれかに該当するとみなされる場合も、甲は、甲にとって可能な他の権利または救済に加えて、本規約を解除し、本契約に基づき乙に支払うべき紹介料の支払いを拒絶し、またはその両方の措置をとる場合があります。

2.2 規約違反すると、契約解除(退会)

「アソシエイトやそのお友達・家族・親類・関係者やアマゾンが判断して怪しいことやっているぞと思った人が、"アソシエイト・プログラム参加要件"などに違反したら、契約解除して、紹介料は払わない」。
 この条項はかなり一方的ですが、特に「紹介料は払わない」に関しては、「アマゾンが不正に紹介料を払わない」という訴えがあり、裁判となった場合、原告側(アソシエイト側)に合理性があれば、契約無効とできる可能性はあります(アマゾン側が不正に利得を得るために設けた条項と解することができる)。アマゾン側もあまり理不尽なことをすると、裁判をされる可能性はありますが、まあ、日本では普通は泣き寝入りですかね。

2.3 違反の判断はAmazonがする

・乙がアソシエイト・プログラム参加要件や運営文書に記載された要件または制限に従っていない、または乙が本規約に違反していると甲が判断する場合。

「契約違反かどうかは、アマゾンが勝手に判断する」。

2.4 海外の規約にも従え?

甲の関連会社が提供する他のアソシエイト・プログラム(例えば、Amazon.com US アソシエイト・プログラム、Amazon EUアソシエイト・プログラム、Amazon.caアソシエイト・プログラムおよびAmazon.cnアソシエイト・プログラム等)への参加の規則を定めた、適用される規約に記載された要件または制限に違反した場合。

「米国、EU、カナダ、中国などのアソシエイト・プログラムの規約にも従ってね。」
うーん、米欧中加は単なる例示に過ぎないので、すべてのアソシエイト・プログラムの規約を理解して同意することは、常識的に言ってほぼ不可能です。この条項にアソシエイトが理解せずに同意することは、アマゾンは想定できるので、この条項を入れること自体が、何らかの日本の法律に違反するような気がします。何故ならば、例えば、「アソシエイトが退会する場合、退会料として100万円払え」というような規約を忍び込ませることができるからです。念のために入れているのでしょうが、米国の訴訟社会を象徴しているような条項ですね。apple, googleもこのような条項入れているのか、調べると面白いかも。

3. Amazonアソシエイト・プログラム参加要件

3.1 禁止事項

アソシエイト・プログラム参加要件の自己購入に関する条項は、以下の通り。

3.1.1 自己購入の禁止

28. 乙は、乙自身の使用または再販売その他のいかなる種類の商業用途のためにも、特別リンクを経由して商品を購入しないものとします。

 「自分のリンクを踏んで買っちゃダメ」(自己購入の禁止)。

3.1.2 家族・友人等への購入依頼・推奨の禁止

同様に、乙は、乙自身または乙の友人、親類もしくは関係者による使用または再販売その他のいかなる種類の商業用途のためにも、特別リンクを経由して商品を購入することを乙の友人、親類もしくは関係者に依頼したり奨励しないものとします。

 「アソシエイトは、お友達・家族・親類・関係者に、自分の商品紹介リンク経由で"買ってね"、ていうのはダメ」。
「買ってね」って言っていなければ、お友達などが買っても、契約上は全く問題ないと思います(もしかしたら、「買わないようにしてね、と言ってお友達に従わせる義務」の規定があるどこかに潜んでいるかもしれませんけど)。考えてみれば、契約者ではない他の人(お友達など)の行動を禁止することはできないので、当たり前と言えば当たり前のことです。

 しかしながら、「買ってね」を言った言わないは、「アマゾンが勝手に判断します」ので、アマゾンに疑われるような購入になっている場合は注意が必要です。

 細かい話ですが、この規約では「親類」が定義されていません。通常、「親類:家族を除く、血族と姻族の総称」(デジタル大辞泉)ですので、お友達・親類だけだったら、家族に依頼して買ってもらうことは、28項違反にならないのかなと一瞬思ってしまいました。英語の"relatives"(=親類+家族)をそのまま訳したので、家族が抜けたということでしょうかね。親類を「親族」と訳せば、民法上の親族(家族を含む)のことかもしれない、と解釈できなくはないですが、肩苦しくなりますから親類という言葉を使ったのでしょう(前の記事で文学における翻訳論について書きましたが、契約文書にも似たようなことがありますね)。なお、この文面では、「家族」は「関係者」の一部と解釈できるので、アマゾンとしては特に問題ありません。「関係者」はいくらでも拡大解釈できる都合がよい語句なのです。

3.2 紹介料を支払う条件

3.2.1 紹介料に関する条件

7. 紹介料

甲は、第8条およびアソシエイト・プログラム紹介料率表に従い、適格販売に対し紹介料を乙に対して支払います。「適格販売」は、(a)お客様が乙のサイト上の特別リンクのクリックスルーにてアマゾン・サイトを訪問し、(b)同一の「セッション」中に、お客様が(i)商品をショッピングカートに入れ、お客様の最初のクリックスルーから89日以内に当該商品を注文するか、(ii)商品を甲の1-Click注文にて購入するか、または(iii)商品がデジタル商品の場合は、アマゾン・サイトから商品をストリームもしくはダウンロードし、かつ(c)当該商品がお客様宛に出荷され、またはお客様によりストリームもしくはダウンロードされ、その支払がなされた場合に、生じたとみなされます。

1回の「セッション」は、お客様が乙のサイトの特別リンクからクリックスルーにてアマゾン・サイトを訪問したときに開始し、以下のいずれかが最初に生じたときに終了します。(x)お客様のそのクリックスルーから24時間が経過した時点、(y)お客様がデジタル商品ではない商品を注文した時点、または(z)お客様が乙の特別リンクでない特別リンクによりアマゾン・サイトを訪問した時点。


以下については、適格販売から除外され、甲はこれらにつき紹介料を支払いません。
(中略)
乙により、または乙を代理して、特別リンクを通じて購入された商品(例えば、個人的注文、乙自身の使用のための注文、および他の個人もしくは企業のために、またはこれらを代理して、乙により発注された注文)。
(略)

3.2.2 やってはいけない購入(紹介料は支払われない)

 上記引用の最後の適格販売の除外についての節は「自分が買った注文、他の人(例えばお友達)に自分の代わりに買ってもらった注文には紹介料を払わない」。ここのところの例示は、非常に分かりにくい。翻訳すると以下のようになります。

  1. 「個人的注文、乙自身の使用のための注文」(自分のための注文)
    「個人的注文」と「乙自身の使用のための注文」の違いは不明。たぶん、前者は「自分のための自分自身による注文」、後者が「自分の使用目的のために友達に代わりに買ってもらった注文を含む、自分の使用目的の注文」を指すのではなかと推測しますが、それならそれでそう書いて貰わないと理解できません。
  2. 「他の個人もしくは企業のために、乙により発注された注文」(他の人に買ってあげた注文)
  3. 「他の個人もしくは企業を代理して、乙により発注された注文」(他の人から頼まれてした注文)

 上記の2番目と3番目は原文では非常に分かりにくいので分離しました。例示の方が分かりにくいって、なんだかなぁ...。2番目も3番目も、「乙により、特別リンクを通じて購入された商品」の例示ですが、例示は理解しやすくするためのものであって、分かりにくくするためのものではないので、書いた人は何をしたかったのやら...。

3.2.3 お友達購入は必ずしも不適格な購入ではない

 「7.紹介料」はアマゾン側の支払い義務についての規定であり、その中で上記の適格で出ない注文には紹介料払わないと言っているのであって、アソシエイトが適格でない注文をした場合であっても、本条項を根拠に契約違反であるとは言えないです。つまり、ここの条項はアソシエイトヘの自己購入等を禁止しているわけではありません。前述の28項で禁止しています。

 また、「お友達によるお友達自身の使用のための注文」は適格販売ですので、アマゾンには支払い義務があります。当たり前と言えば当たり前のことですね。
 前述28項は、お友達の義務については規定していない(規定できない)ので、巷で言われているような「お友達購入は契約違反で、紹介料は支払わない」というのは誤りで、寧ろ、逆に「お友達購入だから支払わない」とアマゾン側が言えば、アマゾンの契約違反になります。アマゾンが支払い拒否できるのは、(前述の28項を含む)「アソシエイト・プログラム参加要件」などをアソシエイトが遵守せず、「4. プログラム要件」に基づいて支払い拒否する場合です。

 例えば、「(自分のリンクを経由するように依頼・推奨した)お友達によるお友達自身の使用のための注文」は、不適格な販売となります。自分が依頼したか否かは、Amazonが一方的に判断しますので、ご注意ください。

3.3 「セッション」はいつ切れる?

「お客様」の「セッション」は、

  • (x) クリックしてから24時間たった時
  • (y) (Kindle本やAmazonビデオ、Amazonミュージックなどのデジタル商品以外の)普通の商品を買った時、
  • (z) 他の人の商品紹介リンクをクリックした時、

に切れます。「お客様」が「乙」(アソシエイト自身)を含むかは、明確には記載されていません。

 いろいろググって調べてみると、アマゾンのシステムの動作は、以下の通り。

  • 「セッション」に関しては、「お客様」は「アソシエイト自身を含む」と解釈し、アソシエイト自身が自分の商品紹介リンクをクリックしても、「セッション」は最大24時間継続する。
  • リンクのトラッキングIDが、購入者のアマゾンIDと紐付けできれば、「自己購入」とシステムは判断する。
  • 「自己購入」と判定した購入に関して、システムは紹介料を支払わない(注文計上するが、売上計上しない)。

 「セッション」は最大24時間継続するので、直接リンク以外の商品であっても、その間に買ったものは、「特別リンクを経由」した自己購入となり、「アソシエイト・プログラム参加要件 28項」の「自己購入の禁止」に違反し、契約違反としているように見えます。
 少なくとも、(アマゾンIDと紐付けできるトラッキングIDの)自分のリンクを踏んだセッションについては、「特別リンク経由ではないセッション」と定義すれば、28項違反ではなくなります。しかし、「特別リンクではない」とは定義していないので、24時間以内にアマゾンで購入すると、自己購入になって契約違反となるのではないかと思います。他の人のリンクを踏めば、自分のリンクを踏んで出来たセッションは、切れるので、自己購入は回避できます。でも、一般人には、そんな難しくて面倒なことはできません。運営規約に一文加えれば、こんな面倒な話は無くなるのですけど、何か問題があるのでしょうかね。

 ここから導かれる結論は、「Amazon アソシエイト・プログラムは、毎日毎日、途切れなく、アマゾンへの商品リンクを張ってリンク接続をマメに確認しているような、アマゾンが大好きな人は、アマゾンで商品を買っていはいけません、という大変すてきなお仲間プログラムです。」 アマゾンが大好きなお仲間は、アマゾンからは購入できないので、紹介する商品はアマゾン以外で購入しましょう。なんか、変。

3.4 Amazonは、問答無用でアソシエイトの契約を解除できる

14. 契約期間および契約解除

本規約に基づくお取引の期間は乙の本プログラム申込書を甲が受諾した時点で開始し、乙または甲のいずれかにより解除された時点で終了します。甲または乙のいずれも、相手当事者に対して書面(Eメールを含む)による解除通知を交付することにより、理由の有無を問わずいつでも本規約に基づくお取引を解除することができます。
(略)

「理由なくても、問答無用でいつでも契約解除できます」
 契約解除の項目は、期間の定めのない契約では一般的な記載ではないかと思いますが、この項目により、Amazonは「理由の有無を問わずいつでも」アソシエイトとの契約を解除できるので、Amazonにとって不適切と思うアソシエイトを退会させることができます。理由の開示は必要ありません。アソシエイトへの契約の解除通告のみです(これは、アソシエイト側も同じで、理由開示の必要なく、Amazonに通告すれば、一方的にアソシエイトプログラムからの脱退が可能です)。

 従って、契約上は、自己購入ばかりして実質的な紹介がないような営業成績が悪いアソシエイトを退会させることが可能ということです。もちろん、契約違反したアソシエイトとの契約も解除できます。

 実際には多少自分のリンクを踏んだからといってすぐに退会させるようなことはないと思います。自己リンクを踏んだ場合のアマゾン側の運用がどうなっているか、よく分からないところが、悩ましいところなんですよね。チェックプログラムを作って、自動的にブラックリスト作成・紹介料の支払停止ぐらいはしているでしょう。支払い停止に文句いったら、契約違反だろうがなんだろうが、問答無用で退会させるといったこともできます。

 以上が、同じアカウントを使って、意図せず自己購入になってしまった場合や、私の場合のようにウォッチリスト代わりにブログを使って自己購入する場合など、紹介料が支払われないときの話です。

4. 意図的に自己購入すると詐欺罪?

 これが、別アカウントなどを使って、アマゾンを欺いて紹介料をもらう場合には、まったく別の次元の話になります。これは、絶対にやらない方がよいです。
 ディスカウント購入のつもりで別アカウントを用いて自己購入して紹介料をもらうのは、「意図的に、適格販売を装い、アマゾンを欺いて、紹介料を不正に入手する」という不法行為となる可能性が高く、おそらく詐欺罪が成立するのではないかと思います。詐欺罪は非常に重い犯罪で10年以下の懲役となる場合があります。店員が間違えて多く払ったつり銭を受け取ると、詐欺(つり銭詐欺)で逮捕される可能性があります。無銭飲食で再犯を繰り返せば、実刑判決です。

 詐欺罪は親告罪ではないので、アマゾンが訴えなくても、逮捕される可能性があります。例えば、警察が、ホームページなどで紹介料詐欺を煽っている人をマークして、Amazonに証拠提出を要求し、証拠を押さえられれば、逮捕するということもありうるでしょう。身近な人によって刑事告発されるかもしれません。仮にアマゾンが告訴すれば、簡単に立件できるでしょう。

 刑事責任以外に、民事責任も発生します。摘発されないからと言ってやってよいというものでは、ありません。欺いて紹介料をもらうようなことはやめましょう。

 実際には間違って意図せずに不適格な購入となってしまう場合もあるでしょうから、アマゾンは、まずは、「4. プログラム要件」条項と「7. 紹介料」条項に基づき支払いを停止、改善されない場合には「14. 契約期間および契約解除」条項に基づきアカウントを削除するのでしょうかね。極めて悪質と判断すれば、詐欺罪で告訴するかもしれません(実際に告訴した事例があるのかは知りませんが)。

 いずれにせよ、社会常識からいって良くないことはやめましょう(紹介料詐欺の方法について書いてあるブログが多数ありますが、やるならそれなりの覚悟をしてね)。


暗雲立ち込めるアソシエイトの行方かな

2015/10/6

(追記) アマゾンのカスタマーサービスに質問と提案をしました。

  • 質問は「同じIDでの自己リンクを踏んで自己購入すると、契約違反?」
  • 提案は「自己購入禁止だとアマゾンから購入しないけど、運営規約は改善したらどうか」
  • その他「記事に間違えがあれば、教えてね」

 夜の発信で、回答は翌日の朝10:01。さすが夜中の回答はなかったです。

  • 質問への回答は、「24時間たってから発注するか、クッキーを削除してください」という回答で「契約違反?」という問いには回答なし。
  • 提案への回答は、「担当部門に連絡します」

という定型文の回答です。自己購入の問題は、「Amazon側が既に把握していること」、「規約改正はAmazon米国本社が決めること」でしょうから、予想通りの回答です。提案は最高裁判所裁判官国民審査での1票程度の影響力しかないと思いますが、それでも1票は行使してみました。

 自己購入については、「他の人のリンクを踏んで、自分のセッションを切る」のが一番楽・確実そうなので、当面はこれで対応しようと思います(アマゾンさん、余計なアフィリ報酬の経費が発生してしまいますが、ご了承ください)。

2015/10/8

(追記:2015/10/19)
自己購入にならないようにする方法の一つについて記事をまとめました。
Amazonアソシエイト、自己購入を回避する方法

(追記:2015/10/24) 本記事は、ブログ再編に伴い、toranosuke-blog.hatenablog.comから、本ブログに移動しています。