虎之助の徒然記

17型パソコンに使えそうなファンクーラー5台を比較した。結局、購入したのは...

【概要】

 猛暑対策として、17型ノートパソコン(dynabook AZ77)用にファンクーラー台を購入しました。Amazonからピックアップした5機種を比較し、その結果、E-PRANCEの冷却パッドを選びました。Amazon Choiceでベストラー1位の製品という保守的な選択です。でも、使ったら、ちょっと不満に感じました。

1. はじめに

 先日、dynabookのハードディスクが壊れ、SSDに換装したのですが、SSDに換装後は、内蔵ファンが唸ることも少なくなりました。SSDの消費電力は、HDDの消費電力よりも小さく、大きな熱源にならなくなったことも一つの要因ではないかと思います*1

 そうは言っても、この猛暑、いままで使っていた冷却台は、17インチのパソコンには少々小さ過ぎ。7年ぐらい前に買ったものなので、買い替えることにしました。これまでの経験上、ファンサイズが大きくて、回転数が低いものの方が、音が静かという印象を持っています。これまで、使っていたクーラーは1,000円の安物ですが、音も静かでお気に入りでした。ファンの直径が16cmで、回転数も低いと思います。

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今まで、使っていた1,000円のファンクーラー。17型には小さ過ぎました。

2. 5機種の選定と比較

 ざっくりと、Amazonから、17型のノートパソコンに使えそうなファンサイズが大きいファンクーラーを選んで、比較しました。比較したのは表の5機種です。

 17型のdynabook AZ77の大きさは、413x268x33mmなので、17型用のファンクーラーは、dynabookと同じぐらいの大きさです。

価格※:1,499円 1,599円 1,880円 2,599円 2,899円
対応サイズ:~15 13~17 11.6~17 12~17 ~17
345x250x28mm 370x265x? 380x280x30 380x280x28 408x287x29※
鉄メッシュ 鉄メッシュABS樹脂 金属メッシュ金属メッシュ
ファン:14cm×2 13cm×1 16cm×2 16cm×2 12.5cm×4
重量: 744g 762g 720g 680g 733g
消費電力:? ? 3~5V, <0.5A 5V, 0.4A 5V, 0.75A
騒音レベル:? ? 24-30dB 26dB 26dB
風量:80cfm ? ? ? 75.35cfm
回転数:1400rpm ? 800±200rpm1000rpm 1200±10% rpm
風向き:吸い込み 吹き出し 吹き出し 吹き出し 吹き出し
風量調整:〇 ? on/off on/off
USB※:2 2 2 2 2
傾斜:大(5段階) 大(33°~58°) 小(+3cm) 小(10°)
レビュー数:33 6 437 68 515
備考:中華品質 - amazon販売 - amazon choice
ベストセラー1位
  • 価格は、2018年8月11日現在。
  • USBポートは2つあっても、1つは電源用。AVANITEKのレビューを見ると、パラレルに繋がって、途中で電源を取っているだけとのこと。他の機種も同じと思われます。
  • E-PRANCEの製品紹介では、408x207x29mmと記載されていますが、箱に記載のサイズは408x287x29mm。実寸も箱記載の大きさ程度ですので、Amazonの記載は誤記です。

3. 評価ポイント

 スペックを比較してみると、製品の間に、多少の違いがあります。以下のポイントを評価しました。

  • 信頼性が高そうなこと(レビューが多い、良い評価が多いこと)
  • ファンが大きく、回転数が低いこと。
  • 騒音レベルが低いこと(といっても、カタログスペックはどれもほとんど同じ)
  • 傾斜機能は重要でない(本体のキーボード・マウスは、使わないため)
  • 金属メッシュ(なんとなく、冷えそう)
  • 調整機能(回転数を落とせば、静かになりそう)
  • できれば、安い方がよいけど、3,000円以下なら、あまり、こだわらない。

 正直言って、似たり寄ったりという印象ですが、結局、購入したのは、上記の5機種の中でE-PRANCEのファンクーラーを選びました。似たり寄ったりなので、アマゾンのおすすめ品、Amazon Choiceでベストセラー1位を選んだということです。

 注:購入権当時は、消費電力を比較し忘れてました。E-PRANCEは、4ファンのため消費電力が大きいです。

 昔だったら、一番安い、Nitawか、2番目に安いノーブランド品を選んでいたと思います。中華品質で信頼性が低いといっても、2台とも不良品ということは少ないです。同じぐらいの値段で二つ買えるので、二つのうち一つ動けば、OKという考え方。

 ファンクーラーは特に技術的に難しいものでもないので、安物でも大丈夫だと思いますが、どうなんでしょうね?(今まで使っていたクーラーは、7年間、24時間運転でも特に問題ありませんでした)

4. 外観

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外箱。サイズは408x287x29mm、消費電力は5V、0.75Aで3.75W。

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dynabook AZ77と同じぐらいの大きさ。

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青色LEDが無駄に明るい。パソコンで覆ってしまうので、
部屋の明かりを消さない限りは目立ちません。

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右側の二つがUSBポート(青色ケーブルがファンへの電源供給)、
左の二つが電源調節ダイヤル。USBの締りが悪く、少しぐらつく。

5. 使った印象

5.1 風量・雑音・振動

風量

 風量は小さく、微風です。しかし、今まで使っていた1,000円のファンよりは、強力です。少し風が流れるだけで、十分効果はあると思うので、とりあえず、十分です(但し、Amazonのレビューを読むと、強烈に熱くなるPS4などの冷却には不十分との報告が多いです)。

雑音

 以前、使っていた1,000円ファンクーラーよりも、大幅にうるさいです。

 静音タイプのデスクトップパソコンがない時代の古いデスクトップパソコンと同じぐらいの雑音の大きさです。

 それでも、他に音源があれば、気になりませんが、何も音がない状態だと、気になります。就寝時に動いていれば、うるさく感じると思います。

振動

 振動が本体に伝わり、人によっては、不快に感じると思います(私の場合、本体キーボードを使わないので、振動が大きくても問題ありませんが、不快に感じる振動です)。手前側のファンを止めれば、手に伝わる振動は大幅に小さくなります。

5.2 消費電力

スペック値

 スペック上の消費電力は、0.75Aなので、通常のUSBの仕様0.5Aを超えます。心配な場合には、別のものにした方がよいでしょう。

 また、このクーラー台を経由して、消費電力が大きいUSB機器を接続することはお勧めしません。私の場合、キーボード・マウスをファンクーラー経由にしました(接続先には、キーボード切り替え器と無線マウスのドングルがついていますが、消費電力は僅か)。

 最大消費電力2.5WのBuffaloのwifiドングルを挿したら、正常に認識しませんでした(正確にはUSB接続・取外しの通知音が繰り返し鳴る)。

実測値

 USB電圧電流チェッカーで実測しました。結果は、以下の通りです。

  • 4ファンで最大出力:4.91V、0.61A
  • 4ファンで最小出力:4.94V、0.50A
  • 上2ファンで最大出力①:4.97V、0.31A
  • 下2ファンで最大出力②:4.97V、0.32A

 調整ダイヤルを回しても、風量はほとんど変わらない印象でしたが、電流量を計測しても、0.61Aが0.50Aに下がるだけなので、ほとんど調整の意味をなしていません。on/offスイッチ程度に思っておいた方がよいです。

 また、上段か、下段の一方の2ファンだけにすると電流量は半分になりますので、通常のUSB規格の範囲内(0.5A)になりますが、それだと4ファンの意味がないかも...。

 (冬場に)手元が涼しくなりすぎないように下段を止めるという使い方はあるかもしれません。

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5.3 風力調整ダイヤル

 風力調整ダイヤルで風力調整と電源のon/offができますが、風力最大と最小でほとんど風の強さは変わりません。電流量では0.6Aと0.5Aの差で、変動域は非常に小さいです。on/offスイッチぐらいに思っておいた方がよいです。

5.4 大きさ

 ファンクーラーは、17型のdynabookとほぼ同じ大きさです。クーラー台と本体は同じぐらいの大きさが、本体全体の冷却をできてよいと思います。但し、15型用のクーラー台でも、特に熱くなるCPU部分(「;/+」キーの近辺?)はカバーできるので、dynabookの場合、15インチ用のクーラーでも十分かもしれません。

5.5 傾き

 私の場合、本体の液晶モニターも、キーボードも使いません。使わない機能ですので、今のところ評価していません。

5.6 金属メッシュ

 エアーフローを考えると、本当に金属メッシュである必要があったのか、今一つわかりません。金属メッシュ面に本体が密着するわけでもないので、熱を逃がす効果があるか疑わしいです。また、ファンの部分は穴が開いている必要はありますが、それ以外の部分にメッシュで穴が開いていると、空気が逆流・循環しそうなので、全面メッシュが本当に良いのか、よく分からなくなりました。

 特にこだわりがなければ、選択の際に、金属メッシュであることは、あまり重視しなくてもよいのかもしれません。

5.7 スリープ時

 これは、ファンの問題というよりは、パソコン側の仕様ですが、スリープ状態でも、暫くの間はUSBに電源供給されるので、ファンが止まりません。Windowsのスリープ時のUSB電源供給の仕様だと思います(詳しく知りません)。すぐに止めたい場合には、スイッチでオフすることになりますが、通常の使い方の配置だと、スイッチが裏側になるので、不便かもしれません。

 ずっと、ファンが止まらないようであれば、「USBセレクティブサスペンドの設定」が有効か、確認してみてください。

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「無効」になっていたら、「有効」に変更する。
 「Wndowsマーク」→「歯車マーク」→「システム」→「電源とスリープ」→
「電源の追加設定」→「プラン設定の変更」→「詳細な電源設定の変更」→ 「電源オプション」

6. まとめ

 17型ノートパソコンに使えるファンクラーを購入しました。Amazon Choice・ベストセラー1位の製品でしたが、雑音が大きい点が少々不満です。また、風量調整もほとんどできないので、雑音の制御もできません。他の製品との比較ではないので、参考にはなりませんが、ファンが大きいの製品を選べばよかったのかなと少々後悔しています。

 次に買う機会があるなら、値段が1,000円安く、Amazonが販売しているBESTEKの製品を選ぶと思います。ファンサイズが、16cmで回転数800rpm。特に回転数が2/3になるので、雑音が小さくなることを期待しています(もっとも、購入したら、この製品よりも悪い評価になるかもしれませんが)。

(2018/8/11)

関連記事

付録:Amazonの商品紹介の画像

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*1:
サムソンSSD500GBの消費電力は、0.05W(アイドル時)、2.5W(平均)、4W(最大)。
Samsung SSD 500GB 860EVO MZ-76E500B/EC
https://www.samsung.com/semiconductor/minisite/jp/ssd/consumer/860evo/

東芝ハードディスク1TBは、0.75W(アイドル時)、3.3W(読込時)、3.0W(書込時)。
TOSHIBA SSHD MQ02ABD100H
http://ascii.jp/elem/000/000/981/981624/

【解決?】Google Chromeが「応答時間が長すぎます」といって遅くて使えない。Windows10 1803へのアップデートが原因だった。

【概要】  Google Chromeで「応答時間が長すぎます」(ERR_TIMED_OUT)と接続が不安定になりました。この原因は、Windows 1803へのバージョンアップでした。この問題は、Cryptographic Service (CryptSvc)を再起動(あるいは停止)することで、対処できます。

1. はじめに

 メインマシンdynabook AZ77のハードディスクがお亡くなりになり、SSDに換装しました。

 幸か不幸か、リカバリーディスクからクリアインストールで、すべてのソフトを再インストールするはめになりましたが、起動も高速、他の動作もサクサクと動き、快適です。いままで、起動直後でも、搭載していた16GBのメモリのうち、10GBぐらは消費していたと思うのですが、今は2.5GB程度(どれだけ余計なプロセスが走っていたことやら)。SSDによる高速化もありますが、メモリ消費量が少なくなったことも大きく影響しているようです(それと、クラッシュ直前のHDDにアクセスしなくて済んだこと。HDDのブロック不良が多発すると、これが原因で超低速化します)。

 さて、まずは、ブラウザ(Chrome、Opera、Firefox)を入れましたが、どうもChromeとOperaの挙動がおかしい。現象としては、接続タイムアウトが頻発して、目的のサイトに繋がったり、繋がらなかったりと、速度が異常に遅く、かつ、動作が不安定です。FirefoxやEdgeでは、このような現象は起こりません。ChromeとChrome系列のOperaに特有の問題です。

 根本的な解決ではありませんが、とりあえずは、症状を回避することができましたので、今回の記事でまとめます。

2. ソフトウェアのバージョン

  • Windows10 Home (x64) 1803, ビルド:17134.191
  • Google Chrome:バージョン: 68.0.3440.75(Official Build) (64 ビット)

3. 症状

 症状は、どのサイトへの接続も不安定で、頻繁に「このサイトにアクセスできません xxxからの応答時間が長すぎます。」とメッセージが出て接続エラーとなること(エラーコードはERR_TIMED_OUT)。このエラーは、「安全な接続を確立しています...」という段階で応答がないことが原因と考えられます。

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ERR_TIMED_OUTエラーが発生する。

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「安全な接続を確立します...」の段階で止まる。


 このとき、Cryptographic Services(CryptSvc)のCPU使用率が高くなります(私の環境では、通常は使用率0%ですが、症状が発生すると、CPU使用率が数%へと上昇しました)。

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Cryptographic ServicesのCPU使用率が高くなる。

4. 原因と対処方法

4.1 原因

 これは、Windows10 1808へのアップデートによって顕在化したバグです(bug:838707)。このバグが原因で、Chrome系のブラウザ(Chrome, Opera, Chromium)でERR_TIMED_OUTが発生します。

 Windows、Chromeのどちらの不具合かは、よく分かりませんが、同じChrome系とは言っても別のブラウザ(Opera)でも、同じ問題が発生するので、Windows側の問題と推測しています。

4.2 対処方法

Google Chrome Forumに対処方法が書いてありました。

Google Chrome Forum: Chrome won't navigate to any website. Windows 10 1803 fresh install - HELP

 いろいろ書いてありますが、もっとも簡単でリスクがないCryptgraphic Services(CryptSvc)の再起動によって、当面の間はトラブル回避をしようと思います。但し、Windowsを再起動すると再発しますので、Windowsの再起動の度に、CryptSvcを再起動する必要があります。

 また、この方法では、Operaの症状を改善することはできませんでした。不具合が頻繁に再発し、その度にCryptSvcを再起動する必要があります。

4.3 Cryptographic Servicesの再起動の方法

 次の3つの方法について説明します。いずれでも動作は同じです。

  • 「タスクマネージャ」の「サービス」タブからCryptSvcを再起動。
  • 「サービス管理ツール」を開き、Cryptographic Serviceを再起動。

4.3.1 「タスクマネージャ」の「サービス」タブからCryptSvcを再起動。

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タスクマネージャの「サービス」タブで、CryptSvcを右クリックし、「再起動(R)」する。

4.3.2 「サービス管理ツール」を開き、Cryptographic Serviceを再起動。

「サービス管理ツール」によって、Cryptographic Servicesを再起動できます。「サービス管理ツール」は「タスクマネージャ」や「コンピュータの管理」から開くことができます。

4.3.2.1 「タスクマネージャ」から「サービス管理ツール」を開く

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タスクマネージャで、「サービスホスト:Cryptographic Services」→
「Cryptographic Services」で右クリックし、「サービス管理ツールを開く(O)」

4.3.2.2 「コンピュータの管理」から「サービス管理ツール」を開く

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Windowsのマークで右クリック→「コンピュータの管理(G)」→
「サービスとアプリケーション」→「サービス」を選択。

4.3.2.3 「サービス管理ツール」でCryptographic Serviceを再起動する

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「サービス管理ツール」から、「Cryptographic Services」を右クリックし、
「再起動(E)」を選択、Cryptographic Servicesを再起動する。

4.4 CPU使用率が高くなったら、CryptSvcを再起動

 Windowsを起動した後、Chromeを起動すると、CrpytSvcのCPU使用率が高くなり、接続が不安定になります。この場合、先に述べた方法で、CryptSvcを再起動すれば、正常に戻ります。

 但し、Windowsを再起動すると症状が再発する、暫くすると再発することがある、Operaでは効果がないという問題は残っています。

 CryptSvcを停止すれば、これらの問題は発生しません。しかし、CryptSvcを止めたときの副作用を理解していませんので、現状では停止ではなく、再起動で対応しようと思っています。

5. まとめ

 Google Chromeで「応答時間が長すぎます」とERR_TIMED_OUTエラーでネットへの接続が不安定になる問題の対処方法を紹介しました。日本語ページで探していましたが、見つけられず、最終的には英語のGoogle Chrome Forumでこの方法を見つけました。

 暫くは、この方法でしのいで、WindowsやChromeのバージョンアップで不具合が修正されるのを待とうと思います。

 また、他に試した対処方法については、付録Aにまとめました。1803アップデートが原因でない不具合の解決に役立つかもしれません。 同様のトラブルに遭遇した方の一助になれば、幸いです。

(2018/8/8)

(追記:2018/8/9)  CryptSvcを再起動しても、しばらくすると不具合が発生してしまいました。クリックでCryptSvcを再起動するスクリプトを書いたので、付録Cにつけておきます。使い勝手は、タスクマネージャ経由とどっこいどっこいでした(笑)

(追記:2018/9/10)  VirtualBoxでも、CryptSvcに起因する不具合が発生しました。VirtualBox(ゲストOSはUbuntu18.04)の場合は、CryptSvcを起動したままでも、CryptSvcを停止したままでも、正常起動しません。ゲストOSの起動時に、CryptSvcを再起動すると、正常動作するようになります。 (詳しくは、この記事

(追記:2018/9/10)  諸事情により、Windows10をリカバリーディスクからクリアインストールしたら、CryptSvcに起因する不具合は発生しなくなりました。
 OSのビルドは、17134.191から17134.254に上がっていますが、それで問題解消したのではないと思います。おそらく、内蔵wifiが不安定で接続が頻繁に切れていたことがが原因でCryptSvcが暴走するようになったと疑っています(今は内蔵wifiは使わないように設定しています)。

関連記事

パソコンが熱中症にならないように、購入検討中のファンクーラー5点。経験上、ファンが大きい方が回転数が低くて、静かです。
(追記:2018/8/10) E-PRANCEの冷却台を購入しました(記事は、こちら)。Amazon's Choiceでベストセラー1位が決め手です。機能的には一番安いNitawも魅力的ですが、典型的な中華品質のようです。ハズレを引かなければ半額なので儲けものだと思います(昔なら、こっちを買っていたw)。

付録A:Chromeの接続エラーの対処方法

 Chromeのネット接続の不具合の対処方法をいろいろと調べ、試しましたので、まとめます。1803アップデートに起因するChromeの不具合の改善には役立ちませんでしたが、他のトラブルには役立つかもしれません。

A.1 調べる、そして、試す

 まずは、Google先生に教えてもらいます。

 その中に示された対処法を一つ一つ試していきました。

 基本的には、設定を変更したら、Chromeを再起動して、動作確認します。動作確認後、設定は元に戻します。

A.2 ネットワーク接続の確認

 他のブラウザで、正常アクセスできるならば、ネットワーク接続の問題ではないので、確認不要です。

 もし、接続できないようならば、以下のようなことを行って、パソコン端末側の問題か、ルーター(無線LAN親機など)の問題かなど問題を特定していきますが、これについては問題なかったので、記事は省略します。

  • PowerShellで nslookup www.xxx.com が正常動作するか?
  • スマホやタブレットで、接続できるか?

A.3 Chrome特有の問題か?

 Chromeだけの問題か問題を切り分けます。

  • 他のブラウザでアクセスできるか?

 他のブラウザでアクセスできれば、Chrome特有の問題と分かります。

A.4 Chromeの設定

A.4.1 シークレットモードを使う

 シークレットモードを使うともしかしたら、アクセスできるかもしれません。

A.4.2 拡張機能をすべてオフにする

 拡張プラグインをすべてオフにします。

  • 「:」→「その他のツール(L)」→「拡張機能(E)」から、すべての拡張プラグインをオフにする。

 拡張機能の設定画面には、"chrome://extensions/"で直接指定してジャンプすることもできます。

A.4.3 Chromeのキャッシュ・閲覧履歴を消去する

 Chromeのキャッシュ・閲覧履歴を消去します。

  • 「:」→「詳細設定」→「閲覧履歴データを消去する」
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A.4.4 Chromeを再インストールする

 Chromeを再インストールします。困ったときのクリアインストールです。

A.4.5 ブラウザのユーザープロファイルを新規作成する(未試行)

 ユーザプロファイルを削除(ディレクトリ名を変更)して、Chromeに新規のユーザープロファイルを作成させます。

・Exit Google Chrome completely.
・Enter the keyboard shortcut Windows key +E to open Windows Explorer.
・In the Windows Explorer window that appears enter the following in the
  address bar.
・Windows Vista/ Windows 7/ Windows 8/ Windows 10: 
 %LOCALAPPDATA%\Google\Chrome\User Data\
・Locate the folder called "Default" in the directory window that opens
 and rename it as "Backup default."
・Try opening Google Chrome again. A new "Default" folder is automatically
  created as you start using the browser.
・If you wish, you can transfer information from your old user profile to
 your new one. However, this action is not recommended, since a part of
 your old profile may be corrupt. With that in mind, to transfer your old
 bookmarks, copy the "Bookmarks.bak" file from the "Backup default"
 folder to your new "Default" folder. Once moved, rename the file from 
 "Bookmarks.bak" to "Bookmarks" to complete the migration. All other 
 browser data will remain in the "Backup default" folder, but you won't
 be able to transfer it to your new profile. 
 Google Chrome Help Forumより

 アンインストール、再インストールがちゃんとできていれば、新しいプロファイルになるはずなので、試してはいません。

A.5 接続の設定

A.5.1 接続先を変更

 私のネットワークの接続関係は、次の通りです。

  • ルーター(無線LAN親機)
    • ↔ パソコン(無線接続)
    • ↔ wifi中継器 ↔ パソコン(通常は無線接続、中継器とは有線接続可能)

無線は、wifiは親機と中継器がそれぞれ5GHz帯を含めて、4つのチャンネルがあります。有線は、中継器との接続になります。

 それぞれの接続先に接続しましたが、症状は変わりませんでした。

A.5.2 「LANの設定」

  • 「:」→「設定」→「詳細設定」→「プロキシ設定を開く」→「インタネットのプロパティ」→「接続」→「LANの設定(L)」→「設定を自動的に検出する」のチェックを外す。
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 これで解決する場合があるようですが、「安全な接続を確立しています...」ではなく、「プロキシを解決しています...」の場合だけかもしれません。

A.5.3 IPv4で接続する

 IPv6で接続する場合があるようです。IPv4だけに制限して接続します(付録B参照)。

A.5.4 DNSキャッシュのクリア

  • WindowsのPowerShellから、"ipconfig /flushdns"を実行
  • chrome://net-internals/#dnsから「Clear host cache」でクリア

 症状が改善しなければ、さらに、以下も実行します(参考:Easy to Fix ERR_CONNECTION_TIMED_OUT Chrome Error

> ipconfig /flushdns
> ipconfig /registerdns (管理者特権が必要)
> ipconfig /release
> ipconfig /renew
> netsh winsock reset  (管理者特権、再起動が必要)

A.5.5 Windows Hostsファイルを確認する

 「Windows > System32 > drivers > etc」にあるhostsファイルにサイトのアドレスが書かれている場合には削除します(参考)。

 今回はコメント行以外は、何も書かれていなかったので、変更しませんでした。

A.6 ドライバーの更新

 dynabook内蔵のwifi子機(Intel Dual Band Wireless-AC7260)のドライバを更新します。

  • 「Windowsマーク」(右クリック)→「デバイスマネージャー」→「ネットワークアダプター」→「Intel Dual Band Wireless-AC7260」(右クリック)→「ドライバーの更新(P)」→「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」

※:dynabook内蔵のwifiアダプタは、前々から接続が不安定であったため、これが原因でChromeがおかしくなった可能性があります。今回、BuffaloのUSBドングル型のwifi子機を購入し、こちらを使うように変更しましたが、Chromeの症状は変わりませんでした。

A.7 セキュリティソフトを確認する

 セキュリティソフトが接続を阻害する可能性もあります。

 今回は、セキュリティソフト(カスペルスキーインターネットセキュリティ)を入れる前に発生しています。セキュリティソフトは無関係です。このため、具体的な対処法については調べていません。

A.8 まとめ

 検索して出てきた対処方法を順次やっていき、途中で、Windows 1803アップデートのCryptSvcが原因であると分かったので、それ以降は調べていません。このため、ここで挙げた方法以外にも、試す価値があることは残っていると思います。但し、最後まで対処方法が分からないということもままありますので、さっさと諦めるのも一つの考えです。

付録B: IPv6での接続を制限する

B.1 pingが通らない

 接続状況を確認するために、外部のサイトにpingをしてみましたが、通りませんでした。接続の設定に問題があるかもしれません。

> ping www.google.com

www.google.com [2404:6800:400a:809::2004]に ping を送信しています 32 バイトの
データ:
要求がタイムアウトしました。
要求がタイムアウトしました。
要求がタイムアウトしました。
要求がタイムアウトしました。

2404:6800:400a:809::2004 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 0、損失 = 4 (100% の損失)、

B.2 IPv6の使用が原因

 IPv6のアドレスで接続するようなので、nslookupでIPアドレスを調べてみると、やはり、IPv6で接続をしようとしていました。

> nslookup www.google.com
サーバー:  UnKnown
Address:  240d:1a:183:8300:ce1a:faff:feb5:cf1e

権限のない回答:
名前:    www.google.com
Addresses:  2404:6800:400a:809::2004
          216.58.199.228

 nslookupで調べたIPアドレス(v4)の"216.58.199.228"でアクセスすると、

> ping  216.58.199.228

216.58.199.228 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
216.58.199.228 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
216.58.199.228 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
216.58.199.228 からの応答: バイト数 =32 時間 =21ms TTL=53
216.58.199.228 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53

216.58.199.228 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 12ms、最大 = 21ms、平均 = 14ms

 IPv4では、正常にpingが通りました。つまり、pingは、サーバ名を引いたときに戻っているアドレスのうち、IPv6のアドレスで接続しようと試みるようです。

B.3 IPv6を使わないとpingも正常動作する

 IPv6を使わないように設定すると、pingも正常動作します。IPv6を使わない設定は次節参照。

> nslookup www.google.com
サーバー:  UnKnown
Address:  192.168.1.1

権限のない回答:
名前:    www.google.com
Addresses:  2404:6800:400a:809::2004
          172.217.161.196

> ping www.google.com

www.google.com [172.217.161.196]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =19ms TTL=53

172.217.161.196 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 12ms、最大 = 19ms、平均 = 13ms

> ping  172.217.161.196

172.217.161.196 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =14ms TTL=53
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53
172.217.161.196 からの応答: バイト数 =32 時間 =12ms TTL=53

172.217.161.196 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 12ms、最大 = 14ms、平均 = 12ms

B.4 IPv6を使わないように設定する

  • 「ウィンドウズのマーク」→「歯車ボタン」(Windowsの設定)→「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更する」→(対象の接続に対して右クリック)→「プロパティ」→「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」のチェックを外す。

 アダプターのオプションを変更する画面(「ネットワーク接続」)への辿り着き方には、次のような経路もあります。昔からのWindowsユーザーにはこちらの方が分かりやすいかもしれません(そうはいっても、毎回、迷子になります:-p)。

  • 「ウィンドウズのマーク」→「Windowsシステムツール」→「コントロールパネル」→「ネットワーク状態とタスクの表示」→「アダプタ設定の変更」
f:id:toranosuke_blog:20180802145433p:plain
右クリックで「プロパティ」を開く。

f:id:toranosuke_blog:20180808202622p:plain:w400
「インターネットプロトコル6(TCP/IPv6)」のチェックを外す。

付録C:CryptSvcを再起動するためのスクリプト

 クリックでCryptSvcを再起動するスクリプトを2つ作りました。一つは、スクリプトファイルが二つになってしまうのですが、ユーザーアカウント制御のクリックは1回で済みます。もう一つは、ユーザーアカウント制御のクリックは2回になりますが、スクリプトファイルは一つで済ませられます。

C.1 アカウント制御のクリックが1回で済むスクリプト

 ファイルは次の2つ。

① CryptSvcを再起動するスクリプト(restart_cryptsvc.bat)

net stop CryptSvc
net start CryptSvc

 このファイルを右クリックし、「管理者として実行(A)」して、ユーザーアカウント制御で「はい」と回答すれば、CryptSvcを再起動できます。

② restart_cryptsvc.batを管理者特権で実行するスクリプト(admin_restart_cryptsvc.bat)

set FILEPATH=%USERPROFILE%\Desktop

@powershell -NoProfile -ExecutionPolicy unrestricted -Command "Start-Process %FILEPATH%\restart_cryptsvc.bat -Verb runas"

 このスクリプトでは、デスクトップにあるrestart_cryptsvc.batを実行します。①のスクリプトが置いてある場所に応じてFILEPATHを書き換えます。

 このファイル(admin_restart_cryptsvc.bat)をダブルクリックし、ユーザーアカウント制御で「はい」と回答すれば、CryptSvcを再起動します。

C.2 アカウント制御のクリックが2回となるスクリプト

 ユーザーアカウント制御は2回となりますが、ファイルは1つになりますので、管理がしやすいです(admin_restart_cryptsvc2.bat)。

@powershell -NoProfile -ExecutionPolicy unrestricted -Command "Start-Process net -ArgumentList 'stop  CryptSvc' -Verb runas" -Wait
@powershell -NoProfile -ExecutionPolicy unrestricted -Command "Start-Process net -ArgumentList 'start CryptSvc' -Verb runas" -Wait

 待ちを入れるか否かの"-Wait"オプションは、あってもなくても構いません。このファイル(admin_restart_cryptsvc2.bat)のダブルクリックでCryptSvcを再起動します。

 'net restart CryptSvc'のようにrestart指定があれば、powershellの呼び出しは一回で済むのですが、残念ながらありません。

 powershellのスクリプトに詳しい方であれば、一つのファイルでアカウント制御の問合せ回数が1回で済むスクリプトを書けると思うのですが、あいにくpowershellのスクリプトを書いたことがないので、さっぱりわかりません。

またもや、カスペルスキーが悪さした!Win10でネットに接続できない

 パソコンのハードディスクが故障して、SSDに換装しました。快適です。

 さて、クリアインストールして、再度、すべてのソフトを再インストールする羽目になってしまったのですが、トラブル多発。一つは、ChromeとOperaのネット接続が異常に遅くなったこと。すぐにタイムアウトして、まともに使えません。調べたけど、解決策が今のところなさそうなので、諦めました。バージョンアップで解決するのを待ちます(※解決しました。追記参照)。

 そして、もう一つが、カスペルスキーインタネットセキュリティを導入したら、ネットに接続できなくなったこと。カスペルスキーの問題は、解決はできたので、メモ代わりに書いておきます。

1. バージョン

  • カスペルスキー:18.0.0.405(f)
    f:id:toranosuke_blog:20180801202849j:plain
    (画像は、kasperskyのページからの引用)

  • Windows10 Home (x64) 1808, ビルド:17134.191

2. 症状

 カスペルスキーインタネットセキュリティ(ニューロ光のサービスでついてくるもの)をインストールした直後から、Firefox、Edgeのいずれもネット接続できない、nslookupさえも動作しない。

 カスペルスキーのインストール直後からなので、これが原因であることは明らか。実際にアンインストールすると、接続できるようになります。

>nslookup www.google.com
DNS request timed out.
    timeout was 2 seconds.
サーバー:  UnKnown
Address:  240d:1a:183:8300:ce1a:faff:feb5:cf1e

DNS request timed out.
    timeout was 2 seconds.
DNS request timed out.
    timeout was 2 seconds.
DNS request timed out.
    timeout was 2 seconds.
DNS request timed out.
    timeout was 2 seconds.
*** UnKnown への要求がタイムアウトしました

3. 解決策

 カスペルスキーが暗号化された接続をスキャンしないように設定を変更します。

  • 「設定」→「詳細」→「ネットワーク」→「暗号化された接続のスキャン」を変更
    デフォールトの「保護機能の要求に応じて暗号化された接続をスキャンする」から「暗号化された接続をスキャンしない」に変更する。

 これで、特に再起動する必要なく接続できるようになります(接続できない場合には、しばらく待てみてください)。

 nslookupでIPアドレスも引けます。

f:id:toranosuke_blog:20180801211916p:plain:w400

f:id:toranosuke_blog:20180801211930p:plain:w400

f:id:toranosuke_blog:20180801211956p:plain:w400

f:id:toranosuke_blog:20180801212006p:plain:w400

> nslookup www.google.com
サーバー:  UnKnown
Address:  240d:1a:183:8300:ce1a:faff:feb5:cf1e

権限のない回答:
名前:    www.google.com
Addresses:  2404:6800:400a:809::2004
          172.217.27.164

PS C:\Users\toshi> nslookup www.google.com
サーバー:  UnKnown
Address:  240d:1a:183:8300:ce1a:faff:feb5:cf1e

権限のない回答:
名前:    www.google.com
Addresses:  2404:6800:400a:809::2004
          172.217.27.164

4. セキュリティを下げて、大丈夫?

 設定変更により、セキュリティが下がるわけですが、以下のブログの説明を読むと、あまり心配する必要はないようです。

 公式サイトの説明は、以下の通りです。

f:id:toranosuke_blog:20180801205131p:plain

5. まとめ

 カスペルスキーは、Googleドライブ(バックアップと同期)でも、トラブルを引き起こした問題児です(記事はここ)。 Googleドライブのトラブルは、今のところ発生していませんが。

 セキュリティソフトを何も使わないということもできないので、タダで使えて、そこそこシェアがあるカスペルスキーを我慢しながら使っていこうと思いますが、、、どうにかならないですかね。

(2018/8/1)

(追記:2018/8/8)

 Chromeがタイムアウトする問題は、Windows 1803へのバージョンアップが原因でした。詳しくは、以下の記事を参照してください。

【解決?】Google Chromeが「応答時間が長すぎます」といって遅くて使えない。Windows10 1803へのアップデートが原因だった。 - 虎之助の徒然記

関連記事

ニッチな防災用ポータブルワンセグテレビを買ってみた。AM/FMラジオ・LEDライト・手回し充電機能付きのYAZAWA ワンセグエコTV (TV02WH)

 新聞広告で見て、ちょっと欲しいなぁとは思ったAM/FMラジオ付の防災用ワンセグテレビ。新聞の商品は約1万円、オモチャガジェットとして買うには、高すぎます。

 Yahooオクで調べてみると、3000円前後で購入可能だったので、Yahooの期間限定ポイントを使って、購入しました。防災用途ということで...、物欲に負けたわけではありません!

 訂正: 物欲に負けたおかげで、台風24号の停電中でもテレビが見られました(笑)。

 今回は、このテレビの紹介と簡単なレビューをしたいと思います。

1. AM/FMラジオ付きのワンセグテレビ

 昔は、ソニーもラジオ付ワンセグテレビを作っていましたが、あまり需要がないのでしょうね。大手電機メーカーは現在、作っているところはないようです。現在販売されているものは、中国に開発・製造を委託して商品化したものがほとんどと思いますが、その分、安く購入できます。今回、購入したテレビも、そのような格安のガジェットです。

1.1 防災用のラジオ機能付きワンセグテレビ

 防災用途のワンセグテレビには、以下のような機能がついています。特徴的なのは、ダイナモ手回し充電。このニッチさが魅力的。でも、手回し充電は、あまり多くを期待しない方がいいです(笑)。

  • ワンセグテレビ機能(音声のみも可)
  • AM/FMラジオ
  • LEDライト
  • 手回し充電、乾電池、AC充電、USB充電
  • 携帯電話への給電機能

 調べたところ、次の2機種がありました。

 ヤフオクで購入したのは、YAZAWAのワンセグTVです。

1.2 その他のラジオ機能付きワンセグテレビ

 手回し充電のようなニッチな給電機能やLEDライトなどはありませんが、ラジオ機能付きのワンセグテレビは、アマゾンから何機種か販売されています。防災時でもUSB充電ぐらいはできるでしょうから、手回し充電は使う機会は、実際にはほとんどないと思います。

1.3 手回し充電機能付き防災ラジオ

 ワンセグテレビは、電力消費が大きいので、ラジオだけに限れば、手回し充電機能も活躍しそうです。手回し充電にこだわった防災ラジオの機能としては、次のものが代表的でしょうか。

  • 手回し充電機能、乾電池、AC充電、USB充電(太陽光発電
  • AM/FMラジオ
  • LEDライト
  • 携帯電話への充電機能

2. 使用してみた

2.1 YAZAWA ワンセグエコTV TV02の仕様

 特徴は、なんといっても、手回し充電(笑)。それと、スマホへの充電機能があります。

 液晶は2.7型TFT、サイズは大きく、厚みもあります。

 それ以外は、他のラジオ付ワンセグテレビと同じようなものです。

f:id:toranosuke_blog:20180707195047p:plain
http://www.yazawa.co.jp/products/?item=8360

2.2 同梱物

 本体のほかに、ACアダプタ、micro-USBケーブル、イヤホン、取扱説明書が入っています。

f:id:toranosuke_blog:20180707200944j:plain

f:id:toranosuke_blog:20180707195957j:plain:w200  f:id:toranosuke_blog:20180707200026j:plain:w200

f:id:toranosuke_blog:20180707200053j:plain

2.3 使用感

 2,400円で入手した商品なので、値段からすれば十分満足できますが、もっと高額になると、微妙です。もう少し受信感度が良かったり、液晶画面が綺麗だったりして欲しいところです。

 ざっくり使用感・印象をまとめると、以下の通りです。

  • 外形・サイズ
    • デカいです。厚さが4cmもあるので、支えがなくても、立ちます。
    • 画面を正面から見えるように本体を斜めに設置するためのガイドが欲しいところ。
  • ディスプレイ
    • 4:3の液晶画面に16:9の画面を入れているので、縦長の映像になっています。
    • TFT液晶の視野角が非常に狭く、正面からでないと映像が綺麗に見えません。
    • 色調整が悪く、あまり綺麗ではありません。
    • 画素数は320x240ですが、画素数のわりにシャープさがありません。シャープネスの調整のせいでしょうか。
  • サウンド
     悪くない。良いスピーカーというわけではありませんが、値段からすれば、十分に満足できます。
  • 受信感度
    • ワンセグ
       室内で使っていても、ワンセグの受信状況は悪くないです。但し、ロッドアンテナの向き調整が必要であったり、安定して受信できない場合もあります。我が家では、フルセグ用の室内アンテナで見ている地デジテレビでも、電波強度が弱いので、普通のところであれば、十二分の感度かもしれません。
    • ラジオ
      • AM/FMともに受信できるチャンネルが非常に少ないです。特にAMの受信が悪く、室内ではほとんど受信できません。FMも雑音なしで聞こえるのは、1チャンネルのみ。
      • 屋外であれば、受信できるようになります。初期設定のチャンネルスキャンも、屋外であれば正常にできました。
  • 給電
    • USB充電でしか使っていませんが、今のところ、特に問題はありません。
    • 手回し充電は、使ってないです(笑)
       バッテリーを使い切らないと、チェックできないので、簡単に回してみただけです。手回し充電の懐中電灯を持っていますが、それを考えると、ラジオが聞けたり、LEDライトが付けば御の字でしょうね。
  • ユーザーインタフェース
    • 一旦、受信調整すれば、それ以降は特に難しいところはありません。受信調整も自動スキャンするので簡単です。
    • テレビのチャンネル切替えを除き、レスポンスが遅いということはありません。テレビも受信状況が良ければ、普通の地デジテレビよりもちょっと遅いかな?という程度です。受信状況が悪いと、チャンネル切替の反応は非常に悪くなります。
f:id:toranosuke_blog:20180707221844j:plain

3. まとめ

 入手価格が2,400円なので、十分満足できる範囲のものです。しかし、これがもっと高額になると、微妙です。

 このあたりの製品は、大手電機メーカーが作っていないので、入手するとしても、品質はそれなりと覚悟してネット購入するか、店頭で品質に納得した上で購入した方がよいと思います。

(2018/7/7)

(追記:2018/10/1)
 台風24号の影響で停電しました。停電してみて分かったけど、スマホは、極力電池使わないようにしたかったので、これがあって助かりました。お勧めの逸品です!

 音声だけで使っていれば、夜明けまでは余裕で電池は持つはずなので、安心して使えました。最悪、手回しもあるし(手回しという最後の砦があると安心感が違います。実際に使うことはないとしても、手回しって意外と重要かも)。

 また、サブ機としてですが、音は悪くないので、TVのながら聞きに、普段使いしています。

 しかし、今回の台風24号はマジで怖かったです。これまでに経験のしたことがない強風で、2階はぐらぐら揺れるし、銅板ばりの屋根も風に煽られ、ベコベコいっているし、怖くて1階に避難しました。しまいには、停電です。

 次の台風25号は、直撃は受けないと思いますが、念のため、電池も補給しに行ってきます(電池ストックがあれば、充電切れを心配せず、TVが見られたのですが、あいにくストックがなく、もっぱら音声利用でした)。

(追記:2019/2/23) 製品の追加・削除と価格の更新。

最新の製品リスト

 楽天ROOMに防災用のテレビ・ラジオをピックアップしています(随時更新)。

最新価格(アマゾン)

関連記事

Google ドライブの動作不良、カスペルスキーセキュリティが原因だった

私のパソコンは、通常24時間運転ですが、久しぶりにパソコンを再起動しました。

再起動するたびに不具合が起こるので正直再起動はしたくなかったのですが、今回もまた不具合が発生しました。

今度の不具合は、Google ドライブの動作不良です。対応をまとめました。

1. 不具合の症状

パソコンの再起動後、Googleドライブ(Google Backup and Sync)のポップアップのエラーメッセージが開いていました。

f:id:toranosuke_blog:20180312143128j:plain
エラー番号は、EF31B9F9


Googleドライブが正常に起動していないようなので、メッセージにあるようにアカウントの接続を解除してから、起動しましたが、何度も繰り返しても、上手く動きません。

なお、一応、パソコン側のGoogleドライブのデータはバックアップを取ってから作業しました。同期もののソフトは、どちらが優先されるか、動作が良く分からず、怖いんですよね....。

2. 原因はカスペルスキーだった

グーグル検索してみると、どうもカスペルスキーセキュリティの最近のアップデートが原因のようです。

Kaspersky Free が Google Backup and Sync を殺す - akiphumi

基本的には、この記事と同様に対処すればよいです。

但し、私が使っていたのは、「Kaspersky Free」ではなく、NURO光+so-netのサービスに付帯のカスペルスキーインタネットセキュリティだったので、インタフェースが違い、設定に手こずりました。

3. 設定方法

やればよいことは、Googleドライブ(Google Drive / Google Backup and Sync)をカスペルスキーの例外プログラムとして登録することです。手順は次の通りです。

STEP1. メイン画面から左下の設定アイコン(歯車)をクリック

f:id:toranosuke_blog:20180312144538j:plain

STEP2. 「詳細」の「検知する脅威と除外リスト」を選択

f:id:toranosuke_blog:20180312145145j:plain

STEP3. 「脅威と除外リストの設定」から「信頼するアプリケーションの指定」をクリック

f:id:toranosuke_blog:20180312145334j:plain

STEP4. 「信頼するアプリケーション」からGoogleドライブ(バックアップと同期)を追加

f:id:toranosuke_blog:20180312145952j:plain
「追加」からアプリケーションを追加

f:id:toranosuke_blog:20180312150642j:plain

f:id:toranosuke_blog:20180312150110j:plain
「参照」からGoogleドライブ(googledrivesync.exe)を選択

f:id:toranosuke_blog:20180312150435j:plain
「暗号化されたネットワークトラフィックをスキャンしない」にチェック

あとは、Googleドライブを起動すれば、Googleドライブ(バックアップと同期)が正常動作するようになります。

4. 最後に

24時間運用しているパソコンを久方ぶりに再起動すると、何かトラブルに見舞われます。

今回は、カスペルスキーが原因のGoogleドライブの不具合でした。

こんなことに、半日つぶしてしまった。あー、面倒くさい。

(2018/3/12)

【クリックポスト】宛名ラベルをA6用紙に印刷する

 前回の記事で、クリックポストの宛名ラベルをA6用紙に4つまとめて印刷する方法を説明しました。しかし、考えてみると、たまにしか商品発送をしない筆者の場合、A6用紙に1件ずつ印刷できた方が嬉しいです。

 今回は、A6用紙に印刷する方法について書きたいと思います。

1. クリックポストの宛名ラベル

 前回の記事にも書いたように、クリックポストの宛名ラベルはA6サイズです。このA6サイズの宛名ラベルをA4サイズ相当のPDFに出力します。宛先が1件だけの場合、左上の1/4の領域に宛名ラベルが配置され、それ以外の3/4の部分は白地のままとなります。

f:id:toranosuke_blog:20180116001601p:plain:w300
A4サイズ用紙の1/4のA6サイズで宛名を出力

2. Acrobat Readerを使って、A6用紙に印刷する

 A6サイズへの印刷は、Acrobat Readerを使えば実現できます。

 ChromeやEdge、OperaなどのブラウザでPDFファイルを開いても同様にA6印刷できると思いますが(付録参照)、Acrobat Readerの場合、プレビューやプリンタプロパティの設定が可能で使いやすくお勧めです。

  • Acrobat Reader*1で宛名ラベルのPDFファイルを開く。
  • Acrobat Readerの印刷ボタンをクリックする。
  • 「印刷」画面で、詳細を設定する。
    • プリンター:出力するプリンタ(ここでは、「HP Officejet 6500 E709n」)
    • グレースケール(白黒)で印刷:モノクロ印刷する場合にチェック
       (クリックポストの宛名ラベルはモノクロ印刷で構いません)
    • ページサイズ処理:「実際のサイズ」(あるいは、「カスタム倍率、100%」)
    • 向き:「縦」
    • ページ設定:用紙サイズとして「A6 105x148mm」を選択。
f:id:toranosuke_blog:20180116221907j:plain
Acrobat ReaderでA6印刷

f:id:toranosuke_blog:20180116222917j:plain:w400
用紙のサイズとして、A6を選択
(対応サイズは、プリンタにより異なる)

3. HPのプリンタで印刷してみた

 筆者が持っているHPのプリンタOfficejet 6500を使って印刷してみました。A6用紙は持っていなかったので、A4用紙をA6に切断して使いました。

3.1 A6用紙を手作り

 カッターや裁断機を使って、A4用紙を切断しA6用紙を作りました。

 実際には、宛名ラベル印刷で余った紙です。貧乏性です(^^)。

f:id:toranosuke_blog:20180116230248j:plain:w400
宛名ラベル印刷の余白部分をA6サイズに切断

f:id:toranosuke_blog:20180117101924j:plain:w400
出来上がったA6用紙のサイズは結構バラバラ


3.2 HPプリンタで印刷。でも、トラブった!

 HPのプリンタOfficejet 6500を使って、手作りA6用紙で印刷しました。

 しかーし、印刷できず...。

 使ったHPプリンタは2010年頃に購入した古い機種で、老朽化のため以前から給紙トラブルが多かったのですが、手作りA6用紙ではさらに給紙できません。

 上手く給紙ができたと思っても、今度は白紙のままで印字されないという状態です(プリンタヘッドは動いているのですが)。

3.3 「はがき印刷」で印刷成功!

 手作りで適当なサイズだったことが原因かと思い、印刷設定にあるプリンタの「プロパティ」で「はがき印刷」に変更したところ、ようやく印刷できるようになりました*2

f:id:toranosuke_blog:20180117003416j:plain:w400
プリンタのプロパティで「はがき印刷」を設定

f:id:toranosuke_blog:20180117000947p:plain:w300
A6用紙に印刷できました!

4. 最後に

 クリックポストの宛名ラベルのA6用紙への印刷についてまとめました。

 結論としては、Acrobat Readerを使えば、用紙サイズなどの設定により基本的には印刷可能です。特殊なツールは必要ありません。

 また、問題が起こった場合、プリンタのプロパティを変更することで、印刷できる場合もありますので、試してみてください。

(2018/1/17)


付録A. ブラウザによるA6用紙への印刷

 Google Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefoxの各ブラウザでの設定についてまとめます。

 結論を先にいうと、私が使ったプリンタ・用紙では、いずれのブラウザでもまともに印刷することはできませんでした。

 ChromeやEdgeはプリンタ・用紙との相性がよければ印刷できそうです。しかし、Firefoxはズーム倍率が設定できないため、恐らくA6用紙への印刷はできないと思います。

A.1 Google Chrome

 Chrome (バージョン 63.0.3239.132, 64bit) の場合、「印刷」画面から「詳細設定」を開き、次の項目を設定します。

  • 用紙サイズ:「フチ無しA6 105x148mm」あるいは「フチ無しはがき 100x148mm」
  • 倍率:「200」
f:id:toranosuke_blog:20180117123732j:plain:w500


 Chrome の場合、Acrobat Readerでは選択できる「A6 105x148mm」などの用紙サイズがありません。他の用紙サイズも大幅に少なくなっています。

 基本的には上記の方法でA6用紙に印刷できるはずですが、私の持つHPプリンタの場合、この設定では用紙エラー(サイズあるいは種類)が発生し、印刷することができませんでした(適切な用紙を使えば印刷できるのかもしれません)。

 本文でも説明したようにプリンタプロパティの「はがき印刷」機能を利用する必要があるようですが、Chromeの印刷画面ではプロパティの設定できません。

 Operaの場合もほぼ同様に印刷できるはずですが、用紙の選択肢から「フチ無しA6 105x148mm」もなくなり、印刷も成功しませんでした。プロパティの設定もできません。

A.2 Microsoft Edge

 Microsoft Edge (41.16299.15.0) では、「印刷」画面から「その他の設定」を開き、用紙サイズを「A6」に設定します。モノクロ印刷の設定はできないようです。

f:id:toranosuke_blog:20180117155427p:plain:w500

f:id:toranosuke_blog:20180117155437p:plain:w500


 基本的には上記の方法で印刷できるはずです。私の持つHPプリンタの場合でも、1回だけ正常に印刷できました(それ以外は何回やっても印刷できず)。少なくとも1回は印刷できたので、用紙の種類やプリンタの相性が原因で印刷が不安定なのかもしれません。

 また、プリタンのプロパティ設定が可能であれば、HPプリンタの「はがき印刷」機能で印刷可能と思いますが、プロパティ設定ができませんでした。

A.3 Mozilla Firefox

 Firefox (Firefox Quantum 57.04, 32bit) の「印刷」画面からは、プリンタのプリンタプロパティが選択できます。ここで、Acrobat Readerと同様に「はがき印刷」を行いましたが、1/4サイズ(A8)となって、思ったとおりのA6サイズに印刷できませんでした。

f:id:toranosuke_blog:20180117140624p:plain:w500
プリンタプロパティの設定はあるが、スケーリング(倍率)の設定がない

f:id:toranosuke_blog:20180117141241p:plain:w400
A6の1/4サイズで印字された

A.4 ブラウザ印刷のまとめ

 私が使っているHPのOfficejet 6500の場合、「はがき印刷」機能を使わないと、手作りA6用紙には印刷できないようです。Chrome、Edgeでは、プリンタプロパティの設定ができないので「はがき印刷」を選択できず、Firefoxでは「はがき印刷」を設定できるがスケーリングが設定できないため、いずれのブラウザでも意図通りに印刷できませんでした。

 Acrobat Readerの場合、「はがき印刷」の設定も、スケーリング設定もできるため、A6用紙に印刷できたと言えそうです。

 但し、プリンタやOSが異なれば違う動作となる可能性がありますので、ご注意頂ければと思います(筆者の場合、プリンタはHP Officejet 6500、OSはWindows10です)。

付録B. A6サイズのラベル用紙

 A6サイズ・はがきサイズのラベルシールに、以下の商品があります。

 このうち、はがきサイズの商品の説明欄に、クリックポストの宛名ラベルの印刷する3つの方法(logiclickというフリーソフトを使う方法と、Acrobat Readerを使う方法、Internet Explorerを使う方法)についての説明がありますので、こちらも参考になるかもしれません。

関連記事

*1:Adobe Acrobat Reader DC リリースバージョン2018.009.20050。

*2:A6のサイズは105x148mm、はがきサイズは100x148mmで5mmほど幅が短いのですが、本当に、用紙サイズが原因なのかは良く分かりません。HPプリンタの「通常印刷」と「はがき印刷」では、用紙サイズ以外にも、用紙の種類、印刷品質などの設定が異なっています。また、縁取りの取扱いも違うのかもしれません。

【クリックポスト】宛名ラベルを4つまとめてA4に印刷する (Win10)

 クリックポストを利用して、フリマ出品の商品を発送することがしばしばあります。同時に複数発送する場合もあるのですが、そのようなときに役に立つ宛名ラベルのまとめ印刷について、記事にします。

1. クリックポストの宛名ラベル

1.1 日本郵便のクリックポスト

 クリックポストは、日本郵便の郵便サービスで、全国一律164円で追跡番号付きで発送できます(クリックポスト *1 )。

 ネットワーク経由での利用が前提の郵便方法で、決済はYahoo!ウォレット、宛名ラベルは自分でプリントアウトして、封筒に貼り付けます。宛名ラベルを貼り付けた郵便物はポスト投函できるので、私の場合、近くのローソン内にあるポストを利用しています。

1.2 宛名ラベルはA6サイズ

 クリックポストの宛名ラベルはA6サイズです。クリックポストでは、このA6サイズの宛名ラベルをA4サイズ相当のPDFに出力します。宛先が1件だけの場合、左上の1/4の領域に宛名ラベルが配置され、それ以外の3/4の部分は白地のままとなります。

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A4サイズ用紙の1/4のA6サイズで宛名を出力


 以下では、複数の宛名ラベルを出力する際の方法として、①クリックポストの「まとめ印字」を使う方法と、②PDFファイルを1つにまとめて印刷する方法の2つについて説明します。

2.「まとめ印字」で印刷する

 複数の宛名ラベルを印刷する必要がある場合、クリックポストの「まとめ印字」の機能を使えば、複数の宛名をA4用紙にまとめて印刷することができます。この方法が最も簡単にまとめて印刷できる方法です。

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3. 複数のPDFを1つのPDFにまとめて印刷する

 しかし、出品商品毎に宛先ラベルを個別のPDFファイルで管理したい場合や 「まとめ印字」で印刷しそびれた場合には、別々となったPDFファイルを使って、A4用紙に入るように印刷する必要がでてきます。

 以下では、次のような手順で、別々になったPDFファイルをA4用紙に印刷する方法について説明します。

① 複数の宛名ラベルのPDFファイルを1つのPDFファイルに結合する。
② 宛名ラベルの部分だけを切り出す。
③4ページ毎にA4サイズで印刷する(4in1印刷)。

3.1 複数のPDFファイルを結合する

 別々になった宛名ラベルのPDFファイルを1つのPDFファイルに結合します。結合したPDFのページ数は、宛先数となります。

 PDFファイルの結合ツールにはいくつかありますが、私の場合、pdf_as (v1.31, 2017/5/7版)を使っています*2

  • 「pdf_as」定番のPDF加工ソフト - 窓の杜
    • ダウンロードとインストール
      • 窓の杜のサイトからpdfas131.zipをダウンロード
      • pdfas131.zipを展開。
      • インストーラはなく、フォルダ内のpdf_as.exeのクリックのみで起動可
  • pdf_as.exeをクリックして起動
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  • 宛名ラベルPDFのファイルをドロップし、「結合」のアイコンをクリック
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  • 保存先のファイル名(例えば foo.pdf)を指定する
  • 処理中に「権限パスワード入力」のウィンドウが開く場合、何も入力せずに「OK」をクリックする (入力PDFのファイル数だけ繰り返す)
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  • 処理が完了すると、宛名ラベルを結合した新しいPDFファイル(foo.pdf)が作成される。

3.2 宛名ラベルの部分のみを切り出す

 次に用紙の1/4の左上の宛名ラベル部分のみを切り出したPDFファイルを作成します。

  • Acrobat Reader*3でPDFファイル(foo.pdf)を開く。
  • 印刷のアイコンをクリックし、詳細を設定する。
    • プリンター:「Microsoft Print to PDF」を選択*4
    • ページサイズ処理:カスタム倍率「200%」を指定
       プレビュー画像が拡大しない場合、「向き」を変更すると、画面が更新します。
    • 向き:「縦」
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  • 「印刷」をクリックし、保存ファイル名を指定する。
     「印刷結果を名前を付けて保存」のウィンドウが開くので、ファイル名(例えば foo2.pdf)を指定する。

3.3 4ページ毎にA4サイズで印刷する ( 4in1印刷)

   4つの宛名毎にA4サイズで印刷します。所謂、4in1印刷です。

  • Acrobat ReaderでPDFファイル(foo2.pdf)を開く。
  • 印刷のアイコンをクリックし、詳細を設定する。
    • プリンター:出力先のプリンタを設定(この例ではHP officejet 6500)
    • ページサイズ処理:「複数」を選択
        1枚当たりのページ数:「4」(あるいは、「カスタム、2×2」)
    • グレースケール(白黒)で印刷:モノクロ印刷する場合にはチェック
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 同様にして、A3用紙に8in1で印刷すれば、同時に8つの宛名ラベルを印刷することも可能です。A3サイズに対応したコンビニのネットプリントを利用する場合などに有効です。

 また、プリンタ印刷ではなくPDFファイルに出力する場合は、「プリンター」として「Microsoft Print to PDF」を選択します。

3.4 宛名ラベルはモノクロでOK

 クリックポストは赤枠線の宛先ラベルですが、モノクロ印刷で構いません。 私の場合、いつもモノクロでラベルを印刷しています。

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宛名ラベルはモノクロ印刷でもOK

4. 最後に

 今回は、クリックポストの宛名ラベルを4つまとめて印刷する方法について説明しました。印刷代を4分の1に節約できますので、倹約家の方は一回試してみてください。

(2018/1/15)

関連記事

*1:クリックポストのサイズ・重量の制限は、34cm×25cm×3cm、1kg以内です。

 サイズが同じ定形郵便物(例えば1kgで570円)と比べると大幅に低額で、ゆうメール(規格内1kgで350円)と比べても安い料金です。また、ヤフオクでは205円で追跡サービスが受けられる「ゆうパケット(おてがる便)」や「ヤフネコ!ネコポス」がありますが、ラベル印刷の手間・コストを考慮しなければ、41円お得なサービスとなります。

 なお、ゆうパケット(おてがる便)のサイズ・重量の制限は、クリックポストとほぼ同じ。ヤフネコ!ネコポスは、重量は1kg以内で同じですが、厚さ2.5cm以内、縦横もA4サイズ以内(31.2cm×22.8cm)とクリックポストよりも厳しい制限となっています。

*2:ConcatPDFも定番のようですが、Vectorで入手できるファイル(Concat-PDF-1.2.5.zip)の日付が2012/6/30と古かったので、使っていません。

*3:Adobe Acrobat Reader DC リリースバージョン2018.009.20050。

*4:Windows10以前ではMicrosoft Print to PDFがありませんが、PrimoPDFなどの仮想プリンタで代用できます。